ニュース
Local

イエメン 日本政府の援助により国内避難民に対する保健事業を開始

イエメンでは360万人以上の人々が避難生活を余儀なくされ、経済は破綻し、医療や保健システムには過度の負担がかかっており、人道危機が悪化し続けている。紛争の影響を受けた人々を支援するため、日本政府はIOMに250万ドルの支援を行うことを決定した。これにより、IOMは10万人以上に緊急医療支援を提供することができる。

紛争開始から5年目となり、イエメン国内で完全に機能する保健施設は、51%ほどに落ち込んでいる。国内では約1,970万人が保健医療支援を必要としている。

情勢が安定している時でも、大部分の公共の保健施設の状況は切迫していた。財源、医師、医薬品、医療機器が不足するなど、さらに状況が悪化している中で、治療を必要とする人は増え続けている。

日本政府からの資金により、IOMはアルマヴィット、サアダ、ハッジャ、タイズ、シャブワの5県において、主に2カ所の病院と4カ所の保健センターを通じて、人々の生命を守るとともに、基本的な保健サービスを提供することができる。当事業は、最も困難な状況にある遠隔地のコミュニティにおいて、一通りのプライマリーヘルスサービスへのアクセスと、緊急の専門医療への照会の改善を目指す。

駐イエメン日本大使館の担当者は、「我々は、長引く紛争の影響で、イエメンの人々の健康状態が悪化の一途をたどっていることを重大な問題として受け止めています。日本政府は人道・安定化支援として新たに3,280万ドルの支援を行っていますが、今回のIOMを通じた支援もその一部で、現在の困難な状況の中で人々の苦しみを軽減することを目指しています。」と述べた。

「現在、イエメンではコレラの感染が広がっているため、このタイミングで日本政府から支援を頂けるのはありがたいことです。」と、デイヴィッド・ダーシックIOMイエメン事務所代表は述べた。
 
またダーシックは、「医療保健サービスへの需要が増加するのに反して、イエメン国内の保健システムは崩壊寸前です。人道の観点からも、人々の苦しみを可能な限り軽減するのが我々の義務であり、日本の資金は最もアクセスが難しい地域での保健支援に役立てます。」とも述べた。
 
日本政府とIOMは2014年以来、イエメンの人道危機や人の移動の課題に協力して向き合ってきた。IOMは日本の支援で、国内避難民や紛争の影響を受けたイエメンの人々に対して、2015年の紛争当初より、水・衛生や保健などの分野で人道支援を実施している。