レバノン 日本の援助で避難民や紛争の影響を受けた人々への人道支援を実施
【ベイルート発】日本政府は、国際移住機関(IOM)がレバノンにおいて、紛争の影響を受けた避難民や受入コミュニティなどの深刻な人道ニーズに応えるために実施する支援活動に、100万ドルの援助を決定した。
この資金により、IOMは被災した地域コミュニティの最も弱い立場にある人々を中心に、マットレスや毛布、枕、ソーラーランプ、衛生キットなどの必要不可欠な救援物資の配布といった人道支援を提供する他、避難所に身を寄せる人々の生活環境を改善し、そこでの支援、保護、サービスを迅速に提供するための援助機関間の調整強化のために活用される。こうした日本政府とIOMとの協力は、長年に亘るパートナーシップの延長線上で実現した。
馬越正之在レバノン日本大使は、以下のように述べた。
「今般のIOMとの協力は、レバノン全土に広がる深刻な人道危機への迅速な対応を目的としています。日本はこの緊急無償資金協力により、レバノンにおける紛争の激化が避難民やコミュニティにもたらす打撃を軽減するため、彼らの最も基本的なニーズを満たせるように、状況に応じた支援を行います。日本はこの危機的な状況でレバノンを支援するため、レバノン国内だけでなく、国際的にもパートナーと緊密に連携していきます。」
2023年10月以来、IOMは救援物資の配布、シェルターやヘルスケアといった基本的なサービスへのアクセス改善など、多岐に渡る緊急支援を約4万人に届けてきた。
マシュー・ルシアーノIOMレバノン代表は以下のように話す。
「今回の資金によりIOMは、避難民の最も基本的なニーズである安全な滞在場所や温かいベッド、照明、衛生などの支援を実施できます。IOMはレバノンで増大する人道支援のニーズへの対応を可能とする、日本政府の継続的なご支援に心より感謝します。」
IOMの避難民動向モニタリングシステムによれば、2024年11月6日現在、レバノンでは875,180人の国内避難民が確認されている。このうち19万人以上が避難所に身を寄せ、食糧やシェルター、水、衛生施設、保護、衛生といった緊急人道支援を必要としている。避難民は、プライバシーの欠如や、基本的な社会サービスへのアクセス不足、ジェンダーに基づく暴力の危険性、過密状態での生活による潜在的な健康被害など、数多くのリスクに直面している。日本の迅速な貢献により、IOMはこうした課題に継続的に取り組むことができる。