国連IOMレバノン支援を強化 軍事攻撃の激化により9万人以上が避難
【ベイルート発】国際移住機関(IOM)は、レバノンにおける戦闘が深刻化する中、「避難民動向」(Mobility Tracking)の最新情報を発表し、9月19日以降、同国において少なくとも90,350人が新たに避難を強いられていることを明らかにした。また、レバノン保健省によると、9月23日以降、子ども50人を含む600人近くが死亡し、約1,700人が負傷した。
エイミー・ポープIOM事務局長は、ニューヨークで開催された国連総会で、改めて世界に向けて外交、平和、戦闘の緩和を呼びかけた。
「私たちは、レバノンにおける戦闘が激化し、女性や子どもを含む数百人の命が奪われていることを深く憂慮しています。同地域の平和と安定を求める国際人道法と、国連安全保障理事会決議1701に従い、市民の福祉と関連するインフラの保護が尊重されるべきです。」
IOMは、政府やパートナーらと協力し、今まさに求められる人道支援に応えている。現地政府やパートナーへの支援を通じ、レバノン国内で避難を強いられている人々へ、物資やサービス、保護を提供することで、危機に対応している。国内避難民と彼らを受け入れているホストファミリーへ必要な救援物資を届ける他、心のケアを含む保護を行っている。レバノン政府との緊密な連携により、避難所として使われるようになった学校や他の建物に滞在している人々へ、過去48時間で、マットレス1,350枚や毛布、枕を提供した。
2023年10月以降、IOMは、公衆衛生省が管轄するレバノン南部全域の病院や保健センターに、人命を救うための医薬品や物資を届け、必要な備品を配備し、また直近では、同省の主要な倉庫施設にロジスティクス面での支援を提供してきた。
マシュー・ルシアーノIOMレバノン事務所長は述べた。
「私たちのチームは、政府関係者や現地のパートナーと共に、最前線に立ち、最も支援を必要とする人々に不可欠な人道支援を届けるため、たゆまぬ努力を続けています。私たちは、レバノン全土で多くの人々が直面するニーズの増大に応えるため、支援規模を拡大していきます。」
このレバノン全土に広がる大規模な避難民の発生の前から、レバノンは、長引く政治的・社会経済的な危機の渦中にあり、370万人以上が人道支援を必要としていた。 レバノン政府を支援するため、IOMは、避難を強いられる人々と、彼らを受け入れる地域社会の困難が解消されるよう、緊急性の高い人道支援を拡大している。
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