国際移住機関   International Organization for Migration (IOM)  は国連の関連機関で、人道的かつ秩序ある、すべての人々の利益となる移住の促進を主導する政府間機関です。1951年の設立以来、IOMは移住の分野を専門とする政府間機関として、政府や政府間組織、NGOのパートナーと緊密に連携して活動しています。 

 

情報通信手段の発達だけでなく、気候変動、自然災害、人的災害、紛争、先進国での高齢化、途上国における若者の失業の急増、北と南の国々での社会・経済的不均衡などの要因で、移住が大規模になっています。今日の国境を超える移民は、世界で30人に1人と推計されています。

IOMは、「正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらす」 という基本理念に基づき、移民個人への直接支援から関係国への技術支援、関連の地域協力の促進、調査研究などを通じて、移住にまつわる課題の解決に努めています。

 

沿革・機関概要 

国際移住機関(IOM)の前身となる組織は1951年、主として欧州からラテンアメリカ諸国への移住を支援するため設立されました。以後、活動範囲が徐々に世界各国へと拡大し、数度の名称変更と1989年の憲章改正を経て、国際移住機関(IOM)となりました。2016年、多くの難民・移民が国境を越えて移動せざるを得ない危機的状況を背景に開催された「難民と移民に関する国連サミット」の際に、国連の関連機関となりました。

 

IOMはフィールド主体の組織で、本部はスイスのジュネーブにあり、世界の9ヵ所に地域事務所を置き、100ヵ国以上にフィールド事務所があります。職員数は約2万人。加盟国は175ヵ国。その他、8カ国がオブザーバー資格を有しています。日本は1993年に加盟しました。(2023年調べ)

 

日本におけるIOM

IOM駐日事務所は、1981年に開設されました。当時は日本で一時的に保護され、米国・カナダに定住するインドシナ難民の渡航手配、健康診断などの出発前支援を実施し、その後インドシナ難民への支援は日本への家族呼び寄せ支援に拡大しました。

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