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西アフリカ 日本の資金による国境管理・公衆衛生事業を開始

(写真)コートジボワールでの署名式より ディオマンデ内務・治安大臣臨席のもと、JICA代表とIOM代表の他、倉光秀彰日本大使も出席

IOMと国際協力機構 (JICA) はこの程、コートジボワールのアビジャンにおいて、西アフリカにおける国境管理支援と国境地帯の公共保健支援を目的とした、新たな2つのプロジェクトを発表した。コートジボワール、ブルキナファソ、ガーナ、ベナン、トーゴ各政府との連携の下、この2つのプロジェクトを実施し、対象地域の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) やその他の感染症の感染拡大にも対応する。

JICAの資金による「西アフリカにおける、国境管理能力、及び新型コロナウイルス感染症等の感染症に対応する公衆衛生管理能力向上のためのデータ収集調査」は、2021年8月から2022年4月まで実施される。また、日本政府の資金でJICAとの連携により実施する「新型コロナウイルス感染症を含む公衆衛生危機に対応するための国境管理能力向上計画」は、2021年9月から2022年8月まで実施される。

この2つのプロジェクトは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により西アフリカ地域の国境で見られるようになった、様々な課題に対応することを目指している。西アフリカ地域の重要な国境地点における公衆衛生活動を維持することで安全な人の移動を支援し、こうした国境地点での国境管理能力向上全般を支援する。これは、国境管理システムや新型コロナウイルス感染症等の感染症対応において、国境管理に関わる政府機関職員や国境地帯のコミュニティの能力向上を通して達成される。

新型コロナウイルス感染症が西アフリカ、及び中央アフリカ地域で確認されて以来、約510,000件の症例が確認されており、そのうち死亡例は約6700件ある。この地域ではパンデミックは比較的うまくコントロールされていると言えるものの、西アフリカ諸国経済共同体 (ECOWAS) の加盟国で現在合計25,000 件の感染者が確認されている。また、コートジボワール、ガーナ、トーゴ、ベナン、及びブルキナファソでは現在約5,000件の感染者が確認されており、パンデミックの予測できない影響は継続している。

感染症の拡大により、パンデミックの初期から陸路の国境閉鎖が継続的に行われるなど、陸路の国境管理に課題が生じており、ECOWAS加盟国域内での移動に影響を与えている。

「安全な国境を越える移動に対するコートジボワール政府の強いコミットメントと新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響を踏まえると、国境における公衆衛生管理能力を高めながら、よく管理された人の移動を促進して国境管理体制を強化することは、これまでになく喫緊の課題になっています。」と、マリナ・シュラムIOMコートジボワール事務所代表は話す。

「JICAとIOMは、コートジボワール、ガーナ、ブルキナファソ、ベナン、トーゴの各政府とともに、物の移動や人の国境を越えた移動に関するそれぞれの専門性と経験を生かし、拡大する保健危機に立ち向かうことができます。」と、JICAの代表者は事業の開始式で述べた。

IOMとJICA は新型コロナウイルス感染症対応の重要なパートナーであり、西アフリカ地域における更なる感染を防いで感染拡大を食い止めるためのグローバルな取り組みにおいて、重大な役割を担っている。