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2020年 人身取引反対世界デー

人身取引反対世界デー(7月30日)に寄せて
国際移住機関(IOM)事務局長

アントニオ・ヴィトリーノ

今年は、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」と歴史的な「人、特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書(人身取引[パレルモ]議定書)」採択から20周年を迎える。

我々は、全ての人々にとって非常に困難な一年の途上にいる。現在の困難は、人々の人身取引被害と搾取に対する脆弱性に深刻な影響をもたらしている。

我々は、政府がしたのと同様に、人身取引や搾取の危険を減少させる活動を実践できる、民間セクター、労働組合、サプライチェーン監査法人、人材ビジネスとの連携は不可欠だと学んだ。

新たな10年を前に、世界は今、人身取引に対峙するために最大の困難に立ち向かっている。パンデミックは移動の重大な制限をもたらしただけでなく、生計手段に影響し、困難な状況にある人へのアクセスも難しくした。新型コロナウイルス感染症は、家族の安全と世界中の数十億人もの人々の健康に甚大な影響をもたらした。そして仕事を求めて危険な旅を選ぶ者、生きるために児童労働に依存する家族、経済的な負担を軽くするための死に物狂いの手段としての幼い娘の結婚など、脆弱性と搾取の危険をいやおうなく高めている。

今こそ、これまでもそうしてきたように、反人身取引に関わるコミュニティはこの新たな危機に際して、対応を進展させなくてはならない。そのためには、傾向を捉え、脆弱性を確認し、政府を支援する画期的な方法をみつけ、同時に、人権擁護を訴えて虐待を防ぎながら、移動を続ける人たちのために、安全で実現可能な選択肢をみつけなければならない。連携してより強くなりながら、この方向に皆で進もう。

「人身取引反対世界デー」IOM本部特設サイト

ラウラ・トンプソン IOM副事務局長によるビデオメッセージ