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ウクライナに栄光あれ 日本で復興支援チャリティーマッチ

Photo:FC SHAKHTAR DONETSK

【東京/キーウ】12月18日の「国際移住者デー」に、ウクライナ屈指の強豪サッカーチームであるFCシャフタール・ドネツクとアビスパ福岡が、ウクライナへの緊急支援と復興のファンドレイズを目的とするチャリティーマッチで対戦した。

公益財団法人日本サッカー協会、公益社団法人日本プロサッカーリーグ、全国賃貸管理ビジネス協会、APAMAN株式会社の共催と、国際移住機関(IOM)らの後援により、東京・国立競技場には18,000人以上のサッカーファンが集まった。

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Photo:IOM

会場には、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使、上川陽子外務大臣などの来賓があった他、侵攻の影響で日本に避難しているウクライナの人々が子どもたちも含めて招待され観戦した。また、ウクライナ全土に及ぶ壊滅的な影響に対処するため、避難民や支援を必要とする人々のためのクラウドファンディングも行われた。

APAMAN株式会社の大村浩次社長は、こう話した。

「今年4月にウクライナを訪れた際、ブチャやイルピンなどで広範囲におよぶ建物の損壊を目の当たりにし、破壊の惨状を理解しました。日本でウクライナ支援の機運を盛り上げるために、以前から協力関係にあるIOMとこのチャリティーマッチを企画しました。」

2023年6月、APAMANが加盟する日本最大の賃貸住宅管理業組織である全国賃貸管理ビジネス協会はIOMとの協力で、イルピンでの集合住宅の大規模修理事業を開始した。イルピンは2022年3月、侵攻に民間人が自ら立ち向かった「ウクライナによる抵抗」の象徴として知られている。

世界銀行によると、ウクライナの復興には推定4,110億米ドルを要し、2023年内に優先的に取り組むべき復興及び復旧のためには140億米ドルの投資が不可欠である。

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前日の記者会見では、FCシャフタールとアビスパ福岡の両チームの監督・選手がチャリティ・マッチへの意気込みを語った。中央はアビスパ福岡の川森敬史会長 Photo:IOM

シャフタール・ドネツクのセルヒイ・パルキン会長は語った。

「サッカーには、世界中の人々を団結させる力があります。戦争を生き抜いた人々の苦しみを和らげ、ウクライナの復興に貢献するという共通した目的を掲げ、この対戦を通じた資金集めのために私たちは力を合わせてきました。」

対戦カードの両チームは、それぞれの国の一部リーグで輝かしい実績を誇り、子どもや社会的弱者、障害者の支援など、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。IOMは、ウクライナにおける大規模な人道支援活動で培った現地の盤石なネットワークを活かし、両チームの架け橋となった。

チャリティーマッチの収益及びクラウドファンディングで集められた寄付金は、全額がウクライナの人々の支援に充てられる。

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Photo:IOM

望月大平IOM駐日代表は、ハーフタイムに行われたセレモニーで、一連の取り組みに賛同する全ての人々に謝意を表明し、「安全な暮らしや、より良い生活を求めて移動する人びとのことを想う『国際移住デー』という特別な日に、チャリティーマッチが実現したことに感激しています。」と述べた。

日本の民間セクターからの支援に加え、日本政府もIOMのウクライナ事業を継続的に支援しており、さまざまな緊急支援事業に資金を提供している。

そして、試合結果が気になっている方へ。最終結果は2-2で、大きな目標のために走り切った両チームは、大いに観客を沸かせ引き分けで試合を終えた。