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ウクライナ危機 IOMが5億1400万ドルの支援を呼びかけ

IOMは、ウクライナおよび近隣諸国で紛争の影響を受けた人々の人道支援のニーズに継続的に応えるため、5億1,400万ドルの支援を呼びかけるアピールを公表した。

IOMのデータによると、紛争開始以来、770万人以上が国内避難民、500万人以上が難民となり、少なくとも23万3,000人の第三国国籍者が近隣諸国との国境地帯で安全を求めた。この地域での人道支援のニーズは増すばかりであり、特に影響を受けた人々は支援を切に必要としている。

IOMは1996年にウクライナで活動を開始しており、同国で活動する最大の人道支援組織の一つで、現在もウクライナと近隣諸国の危機対応を調整するために各国政府やパートナー組織と連携している。

IOMウクライナ危機 緊急アピール 2022年4月版 (英文PDF)

IOMのフラッシュアピールは、1,000万人に支援を届けることを目標としており、その内訳はウクライナにいる800万人、そしてウクライナから避難した200万人である。支援の対象となっている人々の中には、国内避難民、難民、第三国国籍者、女性や子ども、高齢者や障害のある人々などの脆弱な立場に置かれる人々も含まれている。

IOMは様々な分野で、政府および地方政府、非政府系組織や市民社会のパートナーへの支援を継続する。この危機対応では主に、非公式のシェルターが集まる場所や宿泊所、受入れおよび通過地点を、安全で尊厳ある形で管理できるよう能力の強化を行う。また、IOMは臨時シェルターや、生活物資を必要な人々に提供する。

ますます増加する保健ニーズに対応して、IOMはヘルスケアへのアクセス向上や感染拡大への備えと対応を継続している。医療チームが派遣され、保健スクリーニングや精神保健、および心理社会的支援を提供している。加えて、戦闘により大きな影響を受けている、水と衛生のインフラ設備やサービスの供給を改善する活動をしている。

また、IOMの避難民動向モニタリングシステム(DTM)は、人の移動のダイナミクスをより理解し、危機への人道支援をより幅広く強化するために、規模を拡大している。

IOMの確立されたサプライチェーンを通じ、アクセスが難しい地域の人々に人道支援を円滑に届ける。IOMが活動を継続して現地に物流のキャパシティがあることで、食料品や多用途の現金支援など、緊急の食料・生計支援が脆弱な立場に置かれている人々へ届けられている。

保護に関する懸念が紛争とともに強まる中、IOMは困難な状況にある人々に対して保護サービスを提供している。これには、人身取引や性暴力のサバイバーや、その被害者となるリスクが高い人々、保護者のいない子ども移民、障害のある人々や第三国国籍者が含まれる。

IOMは最新の情報を提供するホットラインを運用しており、ここではサービスや照会システム、国境を超えた移動、人身取引の防止やウクライナや近隣諸国への報告などに関する情報を得ることができる。IOMはさらに、自発的な移動や第三国定住、帰還支援において、人の移動に関する幅広い経験を活用している。

ドナーやパートナーの厚意により、IOMはこのアピールを通じて、人道支援の目標を達成し、ウクライナ内外で移住を強いられている人々を保護し、人々の人権と尊厳を守ることができると期待される。

IOMグローバル危機対応プラットフォーム - Global Crisis Response Platform

2022年以降の危機や避難に対応するための、IOMの地域ごとや国ごとの活動計画と資金要請額を掲載。定期的にアップデートされている。