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スーダン危機 IOMが2億900万ドルの支援を国際社会に呼びかけ

スーダンから逃れて南スーダンに到着した人々 Photo: IOM 2023/Kennedy Omondi

【ジュネーブ】国際移住機関(IOM)は、スーダンでの危機や暴力の影響を受けた人々に人道支援を提供するため、国際社会に2億900万ドルの援助を求めている。

スーダンの状況は悪化しており、近隣国への影響も大きくなっている。近隣国の多くは、もともと自国内の長期化する危機に対応している。

2億900万ドルのうち、IOMは1億500万ドルをスーダン国内の活動に充て、残りの1億400万ドルをエジプト、リビア、チャド、中央アフリカ共和国、エチオピアでの活動に使用する。

この援助アピールには、スーダン国内や近隣国で立ち往生している第三国民への緊急支援3,700万ドルも含まれている。

「スーダンは現在、この国が経験した中で最もひどい人道状況にあります。」とアントニオ・ヴィトリーノIOM事務局長は言う。

「多くの人々が、水や食糧、シェルターなどの基本的な支援をすぐにも必要としています。今、私たちが行動しなければ、スーダンの人々は人道的な大惨事に直面することになるでしょう。私たちは国際社会に対し、緊急援助を支援して、甚大なニーズに対応するための資金提供を考えてくださるよう訴えます。」

紛争は何百万もの市民に壊滅的な被害をもたらしつつある。スーダン国内や周辺地域で、257万人が人道支援を必要としているとみられている。IOMの避難民動向モニタリングシステムによれば、843,130人以上が国内で避難民となっており、もし紛争が継続すれば、更に180万人が国内避難民になると予想されている。今回の紛争前に、スーダンにはすでに、380万人の国内避難民と難民が110万人が存在していた。

25万9,000人がスーダンから隣国へ逃れたが、非常に困難な状況で、支援が届きづらい場所に滞在している。戦闘が継続すると、影響を受けた100万人以上の難民と移民が近隣諸国に逃れると予想されている。

多くの人々が、食糧や交通費が高騰し、現金や保健医療、基本的なモノやサービスにアクセスできないスーダンに留まっている。状況が悪化する中で、市民の死者が増え、人々の健康状態が悪化、水や通信手段、物資の不足、多くの人が逃れてきて処理しきれずに環境が悪化している国境通過ポイントなどの問題などが見られる。

IOMは、その他の人道パートナーと、機関間で調整された対応計画や援助アピールで連携しており、スーダン人や第三国民、帰還民の増大するニーズに対応するために活動を拡充を計画している。IOMのスーダン・チャド・エチオピア・中央アフリカ共和国での活動ための援助アピールは、以前から必要なだけの資金が集まっていない。

 

スーダン危機と周辺国:IOMの対応2023(英文PDF)

Sudan Crisis and Neighbouring Countries: IOM Response Overview 2023