国際移住者デー ヴィトリーノIOM事務局長ビデオメッセージ「人間らしさと人の移動」
12月18日の「国際移住者デー」に際し、アントニオ・ヴィトリーノ国際移住機関(IOM)事務局長がビデオメッセージを発表しました。
(このYouTube映像は日本語字幕を選択することができます。)
日本語訳
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国際移住者デーを迎えるにあたり、「移民」であることがどういう意味を持つのか、皆さまと一緒に考える機会を持ちたいと思います。 移民は発展と進歩の土台となってきました。遥か昔から、コミュニティと社会を豊かにしてきた存在です。
同時に、あまりにも多くの困難に直面し、足止めに遭い、虐げられ、搾取され、差別されてきた人でもあるのです。 「移民」とはどのような人たちなのでしょうか。 私たちのなかで、より良い仕事を夢見たことのない人はいるでしょうか。新たな機会を見つけるため、他の文化を学ぶため、もしくは自らの文化を伝えるために、旅をした人はいませんか。これまで一度も危険を感じたことがない人や、自分の家族を守り、家族の幸せを確かなものにしたいと望まない人はいるでしょうか。
「人の移動」は、人間らしさを表現する最も古い方法の一つです。人の移動の政治問題化や、移民に対する敵意や排外主義を許容することはできません。対立を煽るような話やヘイトスピーチは、最も大切にすべき価値観から私たちを遠ざけるものです。 コミュニティ。連帯。寛容性。多様性。 人々が移動する理由も手段も様々です。しかし、その動機に関わらず、彼ら彼女らの権利と人間としての尊厳は尊重されなければなりません。そして彼ら彼女らの貢献が、もっと認識されなければならないのです。
IOMは移住をめぐる人間らしさをずっと見てきました。移住を考える際に、移民は常に最前線にいる人々です。彼ら彼女らは愛すべき存在で、隣人であり、時には指導者でもあります。私たちは「安全で秩序ある正規の移住」は社会を変える力を持っていると信じています。そして、そのためには移動する人々を支援することが大切だと考えています。
IOMの職員は時に最も困難で危険な環境で働いています。私たちは支援が必要とされている瞬間、また抑圧にも負けないコミュニティの強さを目の当たりにしています。IOMの職員は、支援を必要としている人々の最善の利益に基づいて行動しています。もちろん、まだまだやるべきことは山積していますし、改善しなければいけない課題もあります。しかし、国際移住者デーを迎えるにあたり、まずは彼ら彼女らに感謝の気持ちを伝えたいのです。彼ら彼女らの情熱的な献身がIOMを支えています。 私たちは、移動する人々に貢献できることを誇りに思っています。 私たちは、「移民」であることを誇らしく思っています。
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