ニュース
Local

IOMとパナソニック サプライチェーンにおける移住労働者の権利向上のための戦略的パートナーシップを締結

ポープIOM事務局長は、2024年2月の来日時にパナソニック ホールディングスを訪問し、両者の連携が今後もさらに強化されることを期待した。©IOM 2024

””””

 

 

 


【東京】国際移住機関(IOM)とパナソニックホールディングス株式会社はこのほど、サプライチェーンにおける移住労働者の権利向上のためのグローバル枠組み協定(GFA)に署名した。

 

IOM他がまとめた「現代奴隷制の世界推計」の最新報告書では、世界の強制労働の被害者2,800万人のうち1,500万人が集中しているアジア太平洋地域は、強制労働の被害者が世界で最も多い地域だと明らかにされており、この協定は極めて重要な意味を持つ。さらに驚くべきことに、移住労働者は、現地の労働者の3倍も高い確率で搾取され、強制労働全体のうち86%は民間部門で起きている。

都内で同社幹部と会談したIOMのエイミー・ポープ事務局長は、こう述べる。

「この協定は、倫理的な採用と責任ある雇用を促進し、強制労働に立ち向かうべく、私たちが力を合わせて取り組んでいくために、非常に重要な一歩です。世界各地の移住労働者の権利とウェルビーイングを保護して高めていくために、パナソニックとの協力に大きな期待を寄せています。」

 

2018年より、パナソニック グループのマレーシア国内各社は、IOMの支援のもと「外国人労働者の責任ある採用と雇用に関する方針」や業務手順書(SOP)を策定した。その運用実態を現場で確認・是正することで、サプライチェーンで働く全ての人々の労働と人権を保護するための効果的な管理システムの確立に取り組んでいる。

パナソニックホールディングス株式会社の三島茂樹グループ・チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー(グループCHRO)は、こう語る。

「IOMとのパートナーシップは、当社の事業運営とサプライチェーンにおいて、自由に選択できる雇用への当社のコミットメントを示すものです。これは、強制労働のリスクや移住労働者が直面する課題に協力的かつ革新的な方法で取り組むという、当社の継続的な改善への道のりにおいて、次の段階に向けたステップになると期待しています。」

 

この協定は、国連が定める「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」およびIOMの「雇用主向け移住労働者ガイドライン」に則り、移住労働者を尊重するためのさらなる協力の枠組みを提供する。これには、IOMによる技術的な助言や、マレーシアでの先述したパナソニック グループの方針やSOPの改定、同グループのビジネスパートナーの能力開発、移民を中心に据えた人権デューデリジェンスの評価などが含まれる。また、移住や採用のプロセスの変化や、移住労働者の雇用実績を査定するための経営監査や評価も盛り込まれている。

IOM は、移住労働者の権利を守ることは、両者が共有する責務であり、正規の移住労働ルート実現の基盤であると考えている。IOMは、UNGPsの「保護、尊重及び救済」の枠組みに基づき、移住労働者の権利を守るために、政府や民間企業、市民社会のメンバーと協働している。

IOMは地域の旗艦事業である「アジアにおける人の移動に関するビジネスと人権プログラム」を通じ、ビジネスと人権にまつわる対話に移民の観点がより多く含まれるように努め、倫理的な採用と責任ある雇用を奨励し、非正規移住に替わる正規の移住労働を促進するために、各地のパートナーと協力し、活動を続けている。

 


報道関係者からのお問い合わせ先

Nguyen Thi Hong Yen, Communications Coordinator, IOM MBHR Asia,  thihnguyen@iom.int

 


IOMについて

国際移住機関(IOM)は国連システムに加盟する政府間機関。70年以上にわたり、政府、市民社会、国際社会、民間部門と協力し、安全で秩序ある正規の移住を促進してきた。2023年現在、世界171カ国に、557カ所のフィールドオフィスを構える。

 

パナソニック グループについて

1918年設立。現在は生活家電、くらし、オートモーティブ、BtoB、通信、エネルギーなど幅広い分野で革新的な技術とソリューションを開発するグローバルリーダーである。 2022年4月1日、パナソニック ホールディングス株式会社を持株会社とし、傘下に8社を置く事業会社制に移行。2023年3月期の連結売上高は約8兆4,000億円。

パナソニック グループの詳細については、下記をご覧ください。 https://holdings.panasonic/global/