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パキスタン 国境管理能力向上支援事業に日本政府の資金が決定

IOMと在パキスタン日本大使館はこのほど、パキスタンの関係政府機関の国境管理能力を強化することを目的とした資金協力 (345万米ドル) に関する書簡の交換を行った。IOMイスラマバード事務所で行われた式典には、和田充広 駐パキスタン・イスラム共和国日本国特命全権大使、サラ・ベナズィール パキスタン内務省移住管理部門長、カジ・サリーム・アハメド・カーン パキスタン外務省人権・人道課長、佐藤美央 IOMパキスタン事務所代表が参加した。

海外送金に依存する経済、また300万人のアフガニスタン人が暮らすパキスタンの発展において、移住は重要な役割を果たしており、さまざまなプログラムや政策からも明らかなように、総合的な移住管理の強化を目指す政府にとって今後の優先事項の一つである。

日本政府の支援によりIOMは、パキスタン政府が効率的、かつ効果的な国境及び移住管理の実践を通して、安全で秩序ある正規の移住を促進する施策に貢献する。この事業の下、IOMは国境管理関係政府職員に対し、専門的かつニーズに合ったキャパシティビルディングを支援し、主要入国施設おけるインフラ整備とIT機器整備を行う。活動には、身元確認やスクリーニング、人身取引の被害者、及び密入国した困難な状況にある移民について適切な機関への照会に関するトレーニングも含まれている。

「パキスタンにおいて移住は多面的であり、いくつもの課題と可能性を示しています。総合的なアプローチを通してのみ、包括的な移住管理に向けた意義ある発展が可能で、IOMはこれに取り組み続けます。パキスタンでのIOMの活動に対する日本政府の揺るぎない支援と、長年にわたり緊密に連携してきたパキスタン内務省に謝意を表します。」と佐藤美央 IOMパキスタン事務所長は述べた。

和田充広 駐パキスタン日本国大使は、「日本政府は、IOMとのパートナーシップに基づいたこの事業を通して、パキスタンによる平和と安全保障を支援する用意ができています。我々は、安全で安定した環境は繁栄と平和の基礎的な条件であると考えています。移住管理と保護を強化することは、これらを達成する鍵であり、内務省とIOMとの連携協力に期待しています。」と話した。

また、サラ・ベナズィール パキスタン内務省移住管理部門長は、「IOMは移住管理におけるパキスタン政府の重要なパートナーであり、実務及び政策レベルでの支援や、事業設計や実施における緊密な連携に感謝します。内務省は事業実施において、IOMとの強固な連携を約束し、またそれに期待しています。」と述べた。

IOMは1981年よりパキスタンで活動しており、変容しつつある移住のダイナミクスへの実践的な対応策を出しながら、政府と連携し、人道的かつ秩序ある人の移動を支援してきた。具体的には、脆弱な移民の保護や支援、移住に関する課題への国際協力の促進、そして移住政策、調査研究、データおよび実務に関する主要な助言者としての役割を果たしている。