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移民やディアスポラは気候変動対策アクションの変革者 「Migrants4Climate 賞」受賞者発表

画像:気候脆弱性フォーラム(CVF)

【ジュネーブ】10月24日、ジュネーブで開催された移住と開発に関するグローバル・フォーラム(GFMD)での「フレンズ・オブ・ザ・フォーラム」会合において、気候脆弱性フォーラム(CVF)、国際移住機関(IOM)、およびGFMDの議長国を務めるフランスは、「Migrants4Climate(M4C)賞」の受賞者を発表した。

M4C 賞は、気候変動対策のアクションや環境の持続可能性のために、移民やディアスポラが主導、あるいは彼らを巻き込んだりターゲットにしている活動を知らしめることで、移住に関するネガティブな語り口を打ち消すのを目的としている。

栄えある初代大賞を受賞したのは、ベナンで活動するNGO「グリーン経済のための若者とグリーンジョブ(Youth and Green Jobs for a Green Economy / Jeunesse et Emplois Verts pour une Economie Verte -JEVEV))」が率いる、「ヒヤシンスの水耕栽培プロジェクト(Projet Route De La Jacinthe D'Eau)」である。この革新的な取り組みは、水質と土地の有効活用を同時に改善するために、現地で実践されてきた環境への配慮から着想を得ており、地域の関係者が帰国した移民やディアスポラと力を合わせれば、環境問題がいかに機会となり得るかを示している。 

続いて、第2位に輝いたのは、ガーナの社会企業「リユーザブル・バッグ(Reusable Bags)」で、首都アクラにある世界最大の中古繊維の市場で、再利用可能な素材を用いてデザイン性の高い何度も使えるバッグを生産することで、プラスチックのない環境の実現に貢献している。彼らは、若い移民と起業家が、自らのビジョンとスキルを用いて行動に移すリーダーとしての役割を体現した好事例である。

第3位は、フィリピンで活動する「光のリットル(Liter of light)」で、気候変動の影響を受ける最も弱い立場の人々の回復力(レジリエンス)を強化するために、地域社会が自ら主導する取り組みへのサポートが、いかに重要であるかを教えてくれる。この活動を通じ、自然災害により避難した人々が明かりを使えるように、ペットボトルや塩ビパイプ、竹などを用いた簡易的なソーラーライトの作り方を各地で教えている。

受賞した3グループはそれぞれ、包摂(Inclusion)、革新(Innovation)、効果(Impact)、着想(Inspiration)の4つの評価基準に基づき選出された。

M4C賞のハイレベル審査委員会メンバーは下記の通り。

・ エマニュエル・アントウィ大使(M4C賞を率い、CVF議長国であるガーナ代表)

・ジェローム・ボナフォン大使(GFMD議長国であるフランス代表)

・ウゴチ・ダニエルズIOM副事務局長

・ルナ・カーン氏(NGO「フレンドシップ」バングラデシュ創設者 兼 事務局長)

・エリザベス・マリング=スミス氏(マヤ・ブルー・リミテッド代表取締役 兼 グローバル・ジャマイカ・ディアスポラ評議会 開発問題セクター担当リーダー)

CVFとIOM、及びGFMDの議長国であるフランスは、100件以上も寄せられた応募の推薦者と応募者に感謝する。

M4C賞の授賞式は、2024年1月23日から25日にスイスのジュネーブで開催され、フランスが議長国を務める第14回GFMDサミット内にて行われる。