モザンビーク・ジンバブエ サイクロン・イダイ被害へのIOMの対応を日本が支援
モザンビークとジンバブエに上陸・通過したサイクロン・イダイは、インフラや家屋、医療・保健サービスに甚大な被害をもたらし、200万人以上の人々の生活に影響を及ぼしている。
モザンビークで被災した4州 で、IOMの避難民動向モニタリングシステム(Displacement Tracking Matrix – DTM)を通じて被災調査を行ったところ、食糧、生活物資、シェルターの支援が最も必要とされていることが分かった。
モザンビークのベイラ市に住む6人の母親であるグラカさんは、「サイクロンが直撃したとき、私たちは全員家にいました。突然、大量の水が家の中に入ってきて腰の高さにまで達しました。」と当時の状況を語った。
彼女はまた、「私たちの家は、レンガでできていましたが、今は、瓦礫が残っているだけです。毛布や蚊帳が足りません。そして、生活を再建するための支援を必要としています。家を再建するための場所と材料が必要です。」と現在の困難も訴えた。
モザンビーク及びジンバブエにおけるサイクロン被害に対応するIOMの活動に対し、日本政府は135万ドルの資金援助を決定し、これにより4月以降半年に亘り、シェルターと生活物資の支援が可能となる。
在モザンビーク日本大使館の浦島勝輝書記官は、「サイクロン・イダイの被害に遭われた皆様に哀悼の意を表すると共に、心からお見舞い申し上げます。日本は、被災者の方々がこの困難な時を乗り越えるにあたり、心からの連帯を表明します。そして、この支援がその助力となることを願っています。」と述べた。
モザンビークの被災4州で、185万人に人道支援が必要と見込まれている。また、24万戸近くの家屋が半壊または全壊するなど、多くの地域が壊滅状態となっている。ハリケーン直撃から7週間経過してもなお、6万8,000人近くの人々が80カ所以上の避難所での生活を余儀なくされている。
DTMを用いたジンバブエの国境付近での被災調査によれば、6万9,000人近くの人々が避難生活を余儀なくされており、特にマニカランド州やマスビンゴ州に多くの避難民が発生している。避難民の多くは、避難先の受入コミュニティ内で生活しているが、他の人々はキャンプのような避難所で生活している。食糧やシェルターが主要なニーズとなっている。
IOMは、モザンビーク政府国立災害管理研究所、シェルター・クラスター、他の国連機関やNGOと緊密に連携を図ることで、モザンビーク政府を支援している。IOMによる支援はキャンプ調整・管理(CCCM)クラスターを通じて行われ、国立災害管理研究所による避難所の運営や避難所の移転を支援している。また、DTMを用いて随時、人々移動やニーズの把握に努めている。
カタリナ・シュノーリングIOMモザンビーク事務所代表は、「サイクロン・イダイはインフラに甚大な被害をもたらし、人々に大きな影響を与えました。人道支援が引き続き必要です。日本政府が現地のニーズを考慮してくださり、感謝しています。」と述べた。
一方、ジンバブエでは、日本の支援は、最も困難な状態にある被災者家族の支援に充てられる。
IOMの大野拓也シェルター・クラスター調整官は、「IOMジンバブエ事務所は、シェルター、生活物資、キャンプ調整・管理(CCCM)クラスターのとりまとめを行っています。シェルターやそれに関連するニーズは依然として大きいため、日本政府による迅速な支援は、非常にありがたいです。」と述べた。