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オリンピック金メダリストで陸上界のレジェンド モー・ファラー氏 IOM初のグローバル親善大使に就任

エイミー・ポープIOM事務局長からIOM初のグローバル親善大使に任命されたモー・ファラー氏 Photo:IOM

エイミー・ポープIOM事務局長からIOM初のグローバル親善大使に任命されたモー・ファラー氏 Photo:IOM

【ジュネーブ】国際移住機関(IOM)は、ジュネーブで開催された、IOMの全ての運営委員会と加盟国175カ国の代表が参加する、第114回IOM総会において、オリンピックで4つの金メダルを獲得した陸上長距離選手のモー(モハメド)・ファラー氏を、IOM初となるグローバル親善大使に任命すると発表した。

ファラー氏は現在40歳で、今年9月にその長く輝かしい選手生活に幕を下ろした。2022年には、子ども時代にソマリアから英国へ移住した経緯が、人身取引被害者としてであったことを世界に向けて告白した。

就任にあたり、ファラー氏はこう話した。

「子どもは決して、私と同じ経験をしてはなりません。子どもの人身取引の犠牲者は、他でもない子どもたちです。子どもというものは、子どもらしく遊んだり振舞ったりすべきなのです。IOMの親善大使になることで、まさに自分のような人を救い、変化を起こしていくチャンスをもらいました。私たちは皆、人生を変えることができるのだと知らせたいです。」

ファラー氏は、IOMグローバル親善大使としての新しい役割を活かし、移住の途上や移住先で保護を必要としたり、人身取引被害に遭うといった、「移動する人々」を取り巻く課題について啓発すると共に、スポーツが持つ変革の力を、特に女性と女児のために発信していく。

ファラー氏はまた、こう語った。

「私を含め、『移住』は世界中の人々にとって関わりの深いことです。スポーツのおかげで、私は少年時代の境遇を克服し、どんな容姿や聞こえであろうと、偉大なことを成し遂げ、乗り越えていけるのだと身をもって示す機会に恵まれました。」

エイミー・ポープIOM事務局長はこう述べた。

「IOMは、初めてのグローバル親善大使にモー・ファラー氏を迎えることができて光栄です。彼はトラック上でも、トラック外でも、皆が憧れるチャンピオンであり、人身取引被害の当事者でもあります。数多の移動する人々を助け、皆に感銘を与え、IOMの活動に積極的に関わり、献身的に活動し、前進するための推進力となってくれることでしょう。」

1951年に設立されたIOMは、移住の分野を主導する政府間機関であり、「正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらす」という基本理念を掲げている。2016年に、関連機関として国連システムに加盟した。

ファラー氏のグローバル親善大使への就任はIOMにとって意義深い第一歩であり、IOMがさらに影響力のある啓発活動を目指すことを示している。