2001年以来、累計70万人以上の難民に新しい国での社会統合を支援
【ジュネーブ】国際移住機関(IOM)は、6月20日の「世界難民の日」を節目に、紛争から逃れることを余儀なくされた人々の強さとレジリエンス(強靭性。回復に向かう力)に敬意を表する。IOMは2001年より、100万人以上の移動する人々に対して研修を提供してきた。この中には、再定住の過程にある70万人以上もの難民が含まれている。
設立から70年以上、そしてこれからも、リスクに直面する移民と難民を、安全で秩序と尊厳ある方法で移送することは、IOMの基本理念であり続けている。世界中で受け入れられる難民は100以上の国籍に渡り、国境を越える移動に関するIOMの活動は、その規模と複雑さを増すばかりだ。
生命や自由、安全、健康やその他の基本的な人権の危機に瀕する難民にとって、安全かつ尊厳のある形での故郷への帰還や、自主的帰還と受入コミュニティへの統合などの他の解決策を採ることが難しい場合、第三国への再定住は唯一の効果的な保護であり、難民のニーズに応える選択肢となり得る。第三国定住は、難民にとって恒常的な解決策であり、また、国際的な連帯と多数の難民を受け入れる国々との責任分担の証でもある。
IOMの移住前の文化オリエンテーションや語学研修は、再定住の過程にある難民や移民を力づけ、新しい国々でより円滑な社会統合を促進するよう設計されている。
「安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト(GCM)」の目標16は、「移民の包摂と社会的結束の実現に向け、移民と社会のエンパワメントを促進する」ことである。IOMは、社会統合は出発よりも遥か以前から始まると認識しており、目的国への到着前後に研修を実施することで、GCMの目的達成に貢献している。
2022年にIOMが実施した研修を受けた難民の出身国では、主にシリア、アフガニスタン、エリトリア、イラク、ソマリアであった。
出発前後の社会統合のための支援だけでなく、IOMの再定住支援には、個別のニーズに合わせた対応や移住前健診、移動管理も含まれる。2022年には、12万人を超える難民や困難な状況にある人々に対し、再定住や人道的な受け入れ、または欧州連合域内での自主的な移動に関する支援を行った。