ニュース
Local

スーダン 国内避難民、武力衝突の勃発以来ほぼ倍増

スーダンの武力衝突は深刻な人道的危機をもたらし、380万人が新たに国内で避難生活を余儀なくされている 写真:IOM2021/Muse Mohammed

【ジュネーブ】国際移住機関(IOM)の「避難民動向モニタリングシステム(DTM)」の最新の調査によると、スーダンで武力衝突が始まって以来、国内避難民の数はほぼ倍増した。 

スーダン国内で710万人近くが避難を余儀なくされており、うち380万人は4月中旬に勃発したスーダン国軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)との武力衝突によって新たに避難民となった。避難民の多くはナイル川州、東ダルフール州、北部州、南ダルフール州、センナール州、白ナイル州に滞在している。

武力衝突は、甚大な人道危機を引き起こし、食糧、水、医薬品、燃料が極めて不足している。貿易ルートが寸断され、往来が制限されているため、生活必需品の価格は劇的に上昇し、スーダン全土の包囲された町々に残っている人々には手が届かなくなっている。また、ジェンダーに基づく暴力や強制移住、民間人の殺害など、広範な人権侵害も報告されている。 

武力衝突が始まって以来、100万人以上が近隣諸国に逃れ、行先はチャドが最も多く、次いでエジプト、南スーダン、エチオピア、中央アフリカ共和国、リビアと続いている。避難民のうち67%がスーダン国籍である。

支援のニーズはかつてないほど高まっており、2,470万人(スーダン人口の半数)が人道支援と保護を必要としている。 

フェデリコ・ソダIOM渡航・緊急支援局長は、「スーダンの人々は平和を望んでいます。これ以上武力行使がエスカレートすれば、スーダン国及びその近隣地域はさらに壊滅的な打撃を受けるでしょう。」と述べた。

危機の影響を受けたり避難をしたりする人々が急増しているのを受けて、IOMはスーダン危機と近隣国への支援に要する資金計画を4億1,800万ドルへ倍増させ、当初計画の2倍の190万人を対象とするよう改めた。しかし、現在までに集められた資金は21%に過ぎない。

IOMはスーダンに留まり、国内全18州で活動を続ける。しかし、激化する敵対行為、戦闘、その他援助機関が直面するあらゆる障害により、多くの地域で支援を要する人々へのアクセスが極めて困難な状況にある。

IOMはこれまで、移民、国内避難民、そして最も弱い立場にある受入コミュニティの人々に対し、毛布や台所用品、心のケアを含むヘルスケア、衛生、保護、現金支給などの支援を同国で提供してきた。 

「緊急対応メカニズム(Rapid Response Mechanism)」や「共通人道パイプライン(Common Humanitarian pipeline)」を通じ、コンテナ76個分の人道支援を受け取り、IOMとそのパートナー組織は、支援を必要とする可能な限り多くの人々に手を差し伸べるために懸命に取り組んでいる。IOMはまた、カッサラ州とガダーレフ州で移民のための情報・支援センター2カ所を運営しており、スーダン国内に留まる第三国からの移民のために、出身国への人道的な自発的帰国もサポートしている。 

IOMは、アプローチを分散化することで活動の機敏性と柔軟性を高め、支援が届きにくい地域にも対応できるようにしていく。エジプトからスーダンへの国際輸送を試験的に成功させ、現在、北部州のワディ・ハルファ市において3,300個の衛生キットを積み下ろし、間もなく国内避難民に配布する見込みである。同様に、機関横断的かつ国際的な取り組みの一環として、IOMは隣国のチャドから西ダルフールへ初めての国境を超える人道支援の準備を行っている。 

ソダIOM渡航・緊急支援局長は、「ニーズが高まり続ける中、我々は国際社会に対し、救援活動を迅速に行い、手遅れになる前に命を救う支援を確実に届けられるよう、改めて訴えていきます。」と付け加えた。 

2023年以降、IOMは、グローバル危機対応プラットフォームを通じて、危機や避難の影響を直接受けたり、あるいはリスクに晒されたりしている人々の変化するニーズや要望に対応するため、事業計画と資金需要を公開している。このプラットフォームは、状況の変化に伴い定期的に更新されている。