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国際移住者デー・IOM設立70周年記念 ヴィトリーノIOM事務局長メッセージ「人の移動の可能性を広げる」

(英語による、ヴィトリーノIOM事務局長 ビデオメッセージ)

 

(日本語訳)

今年の国際移住者デー(12/18)は、国際移住機関(IOM)の設立につながったブリュッセル会議から70年の記念日とほぼ重なります。

70年もの間、私たちは世界中の何百万人もの移民に支援を提供し、安全で秩序ある、尊厳が保たれた移住がなされるよう、加盟国とともにたゆみなく活動してきました。

組織が発展するにつれ、人の移動の様相も変化してきました。

閉鎖された国境、分断された家族、経済的な不安定さといった印象に加え、2年に亘り継続している世界的なパンデミックは、反移民感情を激化させ、各国の政策において移民が道具のように用いられている状況を作り出してきました。

これらは、どちらも容認されるものではありません。

また、不徳な密入国仲介人たちが世界中の移住ルートで活動しているにもかかわらず、比較的免責される傾向にあることも許容できないものです。最も脆弱な人々への搾取を根絶するため、法の支配が遵守され行動が伴うべきです。

新型コロナウイルス感染症に対する対応は、私たち全ての安全を守る上での移住労働者の重要性を浮き彫りにしました。

移民が暮らす国々の社会経済への貢献や、低中所得国へ送金された5,400億米ドルによって、私たち全員が利益を受けている産業や起業家精神、そしてコミュニティにおける重要性が理解されています。

しかし、人の移動の可能性を最大限に生かすためには、2つのことを実現する必要があります。

政府は言葉だけでなく行動によって、移民の法的ステータスに関わらず、彼らを社会経済復興政策に包摂する必要があります。

そして、合法的な移住経路をより強固にする取り組みをさらに推進し、国家の主権と移動する人々の人権の双方を尊重しバランスを取らなくてはなりません。

統合的なアプローチのために、移住する人々をしばしば不当に扱う防衛策的姿勢を採ることをやめる必要があります。

移民の基本的人権の尊重を確実にしながら、移住の可能性を全ての人々のために最大化する政策を策定するには、私たちの共同努力とコミットメントが必要です。

5月に開催される国際移住レビューフォーラムでは、移住に関する課題に対応するための枠組みを提供し、人間開発における移民や移住の貢献をさらに強化する「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」の進捗を振り返ります。

私たちはともに、人の移動の可能性を最大限に実現することができます。

 

国際移住者デー2021年 IOM本部特設ページ(英文)はこちら