東ティモール 日本政府の支援を通じ、将来の災害による4,500人の緊急ニーズに備える
【ディリ】国際移住機関(IOM)は日本政府の支援を受け、東ティモール政府に対し、900個以上の生活用品のセットとそれらを備蓄するための移動式倉庫を寄贈した。これにより、政府の危機対応能力が増し、東ティモールの将来の危機への備えが強化される。
この活動は、IOMの「新型コロナウイルス感染症の影響による災害リスク低減と危機対応能力強化」プロジェクトの一環として行われたもの。
非常用生活用品セットと移動式倉庫は、900世帯4,500人の緊急ニーズに対応することができ、避難生活の際に、困難な状況にある人々の生活環境を改善するために用いられる。セットには衛生用品、調理用品、寝具、新型コロナウイルス感染症対策用品などが含まれている。女性や女児特有のリスクを低減するのに役立つ品も、セットに含まれている。セットの内容はすべて、スフィア・スタンダードと市民保護の法令に準拠している。
イフマ・シャリーフIOM東ティモール事務所代表は、「非常用生活用品セットを政府に提供することは、将来の災害リスクに備えるために必要不可欠です。新型コロナウイルス感染症や避難所での性暴力のリスク対しても有効であるという点で、より一層重要な活動です。」と述べた。
このプロジェクトは2022年2月から、218人の政府担当者やコミュニティメンバーに対して研修を提供しており、困難な状態にある人々に支援を提供してきた。また、ディリ、マナトゥト、ヴィケケにある避難所6カ所の状況を調査し、改善を行っている。避難所は、危機の際にはこの地域の3万2,000人以上が尊厳のある安全な状態で過ごせるように改善される。
木村徹也駐東ティモール日本大使は、「日本も災害が多い国で、過去に多くの経験をしてきました。私は日本が過去の災害への対応で学んだ知見を共有することができると考えており、東ティモール政府と共に災害リスク低減のための様々な段階でのプロジェクトを進めてきました。災害リスク低減に関する課題は、包括的に対応することが重要です。」と述べた。
市民保護局局長のイスマエル・ダ・コスタ・バボ氏は、「IOMと日本政府に対し、非常用生活用品セットと移動型倉庫の寄贈に対して感謝申し上げます。これにより、将来災害が起こって緊急のニーズがある際に、影響を受けた弱い立場にある人たちを助けることができます。危機対応の能力が高められました。」と話した。
このプロジェクトは他にも、性暴力のリスクなどから人々を保護するアプローチの主流化や、危機下における弱い立場にある人たちへの安全なスペースの提供、防災についてのコミュニティ活動や早期警報システムなどに関して、東ティモール政府を支援する活動を行う。このプロジェクトは同時に、IOMが他機関とともに主導する「キャンプ調整・運営クラスター」と「緊急シェルタークラスター」も支援している。