国際移住者デー「『移住』の力を共に引き出そう」 IOM事務局長メッセージ
12月18日の「国際移住者デー」に際し、エイミー・ポープ国際移住機関(IOM)事務局長がビデオメッセージを発表しました。
(日本語訳)
今日、「国際移住者デー」は、世界中の何百万人もの移住者の貢献を振り返り、そして称える機会です。
移住は、人類の歴史と同じくらい古いものです。人は常に、より良い暮らし生活を求め、あるいは、紛争や迫害から逃れ、また、経済的な機会のために、移住を繰り返してきました。
しかし今日、その状況はより複雑化しています。
2023年、アフリカの角に位置するジブチの海岸から、南北アメリカを繋ぐダリエン地峡の密林に至るまで、世界は、「移動する人々」の歴史的な増加の渦中にあります。
気候変動や紛争、顕著な経済格差を理由に、安全や生活の糧を求める人々は、移住するより他に選択肢がほとんどありません。
特に移住者たちにとっては、今が人生の正念場なのです。
今まさに移動の途上にある人々、将来移動をすることになる人々、そして今の住処に留まりたいと願う人々のために、私たちは、人間を中心に据え、エビデンスに基づいた解決策のために力を合わせなければなりません。
そうすれば、現在属する地域社会に留まりたい人のためにも、移動したい、あるいは、移動しなければならない人々のためにもなります。
IOMは、適切に管理された移住は、持続可能な開発や繁栄、進歩の礎となると知っているからこそ、移住にまつわる複雑な課題の解決に全力で取り組んでいるのです。
「移動する人々」は、出身国と目的国の双方にとって強力な開発の推進力となります。
彼らは労働者として、学生として、起業家として、家族の一員として、芸術家として、母国との強固な繋がりを維持しながら、新しい地域社会に根を下ろし、至る所で、その豊かな知識、経験、技術をもたらしています。
こうした一連の活動が、文化と感性の比類ない融合を生み出すのです。
そこで、今年の「国際移住者デー」では、移住の力を引き出すことに重点を置きます。
移住は、より大きな経済的な繁栄をもたらす方策の一つです。
移住は、気候変動に対する、鍵となる解決策の一つです。
だからこそ今日、私たちが力を合わせて行動することが、明るい未来への一歩となるのです。
「国際移住者デー」に際し、移住の力を活用するために手を取り合いましょう。
私たちは、個人も一歩を踏み出せるのだと知っています。
皆が変革の担い手になれるのです。
私たち一人ひとりに、果たせる役割があります。今日こそ、行動しましょう。