ケニア 干ばつによる危機-現場の日本人職員からのメッセージ
ケニアで発生している深刻な干ばつについて、IOMケニア事務所の山口香穂緊急支援・安定化担当官がNHK Worldより取材を受けた。
数十年に一度の危機的な干ばつにより、深刻な食糧危機が発生していることに関し、現地で牧畜民コミュニティを支援している山口担当官は、「多くの人が食料支援に頼っています。支援がない時は、一日一食も食べられないような状況です」と説明し、人々が栄養失調の状態にあると指摘した。
ニュースでは、水汲みに従事する女性や子どもが、水源を求めて20メートルも地面を掘らなければいけない時もあり、常に命の危険と隣り合わせの状況にいることが紹介されている。それでも、健康で衛生的な生活を維持するにはとても足りず、また、長い道のりを歩いて水汲みに行く子どもは学校に行くこともできない。
また、干ばつにより家畜の大量死も発生しており、牧畜民の生活を脅かしている。彼らは、飢餓で立つことすらできない牛を売らざるを得ず、わずかな収入しか得ることができない。
山口担当官は、干ばつ、食料不足、避難民、紛争などの問題はすべて気候変動に関連していると指摘し、「アフリカで生じている様々な問題に、世界がもっと目を向けてくれることを期待しています」と訴えた。
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