福井県小浜市からウクライナへの寄付:食糧不足が懸念されるハルキウにサバ缶を配布
IOMは9月23日までに、戦争の影響を大きく受けているウクライナ北東部ハルキウに2,400個のサバ缶を届けた。
サバは福井県小浜市の名産品で、同市の市民から寄贈され、IOMのこの地域での協力団体であるNGO、「ハルキウ・エコ・シティ」を通じて、ウクライナの人々に配布された。
ハルキウは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により最も大きな被害を受けた都市の1つ。IOMの推計によると、現在38万2,000人以上の避難民がハルキウ州に留まっており、住居、保健サービス、現金の不足が特に深刻だ。絶え間ない砲撃は多くの死傷者を出しただけでなく、冬の到来を前に食糧不足のリスクを増大させており、ハルキウ州は日に日に悪化する人道的危機に直面している。
日本から寄贈されたサバ缶は、ひとまずウクライナの国境に近いポーランドのジェシュフにある倉庫に保管され、8月の終わりにIOMがハルキウ州に輸送した。この数週間で、ハルキウに住む最も困難な状況にある避難民に配布され、彼らの食生活を支えた。
松田邦紀駐ウクライナ日本大使は、「日本政府は、ロシアによる軍事侵攻で最も深刻な被害を受けているハルキウの住民に対し、時機を得た支援をすることができて非常にうれしく思います。私たちはサバ缶を提供してくれた福井県小浜市に対して、また、ポーランドからウクライナへ輸送してくれたIOMと「ハルキウ・エコ・シティ」の協力に対して、深く感謝します。何よりも、政府の職員として、また一個人として、ウクライナの人々に一日も早く平和が訪れることを心から願っています。」と話した。
ハルキウ青年評議会のキリロ・チキリヤキン人道支援事務所長は、「食料を購入する余裕がない人が多いなか、食料支援はハルキウで最も重要性の高い支援です。多くの住民が仕事を失い、また他の人々は避難民となって仮設住宅に住んでいます。大切なのは支援が持続的であることです。私たちは小浜市の人々と、私たちを支援してくれる国際機関に感謝しています」と述べた。
IOMは他にも、ハルキウや周辺地域の住民に対して、被害を受けた家屋を修理するための緊急修理キットや越冬用品、調理器具、太陽光ランプ、衛生用品を提供している。過去7カ月間でこの地域に住む約5万4,000人に支援を届けた。
IOMウクライナ事務所のモハマド・エルマスリー緊急支援担当官は、「小浜市から届いたこのような支援が、現在も続く戦争によって充分な食糧供給を受けられていない人々や、生計手段のない人々が置かれている状況を緩和することを願っています」と話した。
全面戦争が始まって以来、日本政府と日本の人々はIOMの活動を支えている。移動型クリニックのネットワークづくりや影響を受けた病院への医薬品の提供、心のケア、水・衛生事業など、多くの目に見える援助が可能となった。