グレタ・トゥーンベリ氏がアントニオ・ヴィトリーノIOM事務局長と対談 気候変動と移住の課題に対する行動を呼びかけ
【ジュネーブ・ストックホルム】国際移住機関 国際移住機関 (IOM) のアントニオ・ヴィトリーノ事務局長と、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんは、気候変動が人の移動に与える影響に対して連帯して取り組むための緊急行動を呼びかけた。
グレタさんとヴィトリーノ事務局長は、グローバルな気候変動の人の移動への影響に関して、共通の認識がある。グレタ・トゥーンベリ財団は、27万5,000ユーロ (26万9,000ドル) を、IOMが行うパキスタンでの先例のない洪水被害とソマリアでの干ばつ被害への緊急対応のために寄付した。
グレタさんは、「人々が移動する前の段階から、その過程も、そして移動した後に至るまで、一連の出来事として支援をする必要があります。他の緊急事態と同様に全体として考える必要があります」と話した。
ヴィトリーノ事務局長はこれに対して、「その通りです。グレタさんの意見に全面的に賛同します。若者はこうした大きな課題を前にしても勇気を持って立ち向かい、人々にひらめきと諦めない力を与えてくれる存在です。」と応じた。
ヴィトリーノIOM事務局長とグレタ・トゥーンベリさんとの対談の抜粋(日本語字幕を選択できます)
気候変動の影響により、毎年2,000万人が避難を強いられている中、グローバルな環境危機を防ぎ、環境移住の影響に取り組むことは喫緊の課題である。
「気候変動により避難を余儀なくされている多くの人々にとって、これは生きるか死ぬかの問題です」とグレタさんは続けた。
環境移住は実際に起こっている。残る人々、移動している人々、そして移動しようとしている人々のために解決策を見つけることは重要である。
ヴィトリーノ事務局長は、「気候変動の影響をより強く受けている人々は、それ以前に我々が今抱える問題を大きくした人々ではありません。現在すでに日々の生活に気候変動を要因とした苦悩を抱えている人々に対して、私たちは連帯し責任を共有しなければなりません。」と話した。
気候変動の影響を受け、ソマリアとパキスタンだけでも1,500万人以上の人々が人道支援を必要としている。グレタ・トゥーンベリ財団からの寄付は、IOMが両国で緊急対応を継続するために用いられる。
ヴィトリーノ事務局長は、「財団からの寄付に感謝します。また、グレタさんと共に気候変動が人の移動に与える影響について認識を広めることができることも誇りに思います。」と語った。
グレタさんはIOMや若い世代の環境活動家が協力し合って活動する重要性に触れながら、「皆それぞれ違った役割があります。気候変動の影響を受けている人々への支援において、IOMのような組織は非常に重要です。私たちは可能な限りそうした活動に協力していくべきで、移民の権利擁護や環境のための正しい行いに声を上げることのできる人々は、そうすべきなのです」と話した。
IOMはパキスタンとソマリアで命を救う支援を提供し続ける。しかし、これはIOMだけでは達成できず、多くの人々の支援が助けとなる。