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COP27:誰一人取り残さないために―IOM事務局長メッセージ

エジプトで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に向けて、アントニオ・ヴィトリーノ国際移住機関(IOM)事務局長が声明を発表しました。

「気候変動は人類のウェルビーイングおよび地球の健全性への脅威である―。これは科学的な事実です。人類はこの現実を毎日、背負って生きています。気候変動は生態系を喪失させ、食料安全保障を不安定化させます。また、多くの人々の生計手段、保健および安全保障に損害を与え、不平等を拡大させ、社会経済開発を困難にさせます。そして重要なことは、気候変動が移住者や避難民を生み出す要因となっていることです。

行動するために残された機会は急速に縮小しています。気候変動がもたらす最悪の事態を回避したいのであれば、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度以内に抑えるための時間は10年も残されていません。また、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げる目標の達成期限まで、あと7年しかありません。しかし、気候変動による避難民の発生を防ぐための時間は、もう残されていません。すでに現実のものとなっているからです。

エジプトのシャルムエルシェイクで開催されているCOP27は非常に重要な機会です。COP27において、私は、世界的な人の移動をめぐる課題を解決するために、他の国連機関のリーダーと共に、緊急対策の必要性を訴えます。

第一に、気候変動に適応するための対策強化、避難民の発生を最小限に抑えるための施策や資金の拡充、安全で秩序ある正規の移住を可能な限り促進していくことが必要です。

第二に、気候変動に対してもっとも脆弱な立場にある国々や人々への支援を強化し、損失や損害に対処するための取り組みを強化しなければなりません。

第三に、すべて人々が関わることが必要です。官民のパートナー、市民社会、女性、若者、先住民、移民、避難民、そして気候変動の影響を受けているすべてのコミュニティ。あらゆる人々が、意思決定過程に関与しなければなりません。

COP27において我々は、これまで以上に成果を出し、誰一人取り残さないことを確実にする義務があります。」