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2021年 人身取引反対世界デーに寄せて

アントニオ・ヴィトリーノIOM事務局長

本日7月30日の人身取引反対世界デーに当たり、この犯罪との闘いにおける前進について、各国政府を称賛します。

しかし、人身取引との闘いは終結とは程遠いものです。

今年2021年は「児童労働撤廃国際年」であり、私は特に人身取引に対する子どもの脆弱さについて注目したいと思います。

国連薬物犯罪事務所の「人身取引についてのグローバル・レポート」によれば、2017年から2018年にかけて、110カ国で、74,514人の被害者が確認されました。

2018年には、確認された被害者全体の約3分の1が子どもでした。

IOMと国連児童基金(UNICEF)のデータによれば、欧州へ向かう中央地中海ルートを旅する移民の子どもの10人に8人は、搾取に遭い、頻繁に意思に反して拘束され、強制的に労働をさせられたり、賃金不払いの被害に遭ったりしています。

新型コロナ感染症によるパンデミックは、すでに不安定な状況にあった人々の脆弱性を増幅しており、更に多くの子どもたちが人身取引に遭うリスクにさらされています。

貧困、失業、学校の閉鎖により、子どもたちが搾取や虐待を目的とした人身取引の被害に遭うリスクが高まっています。

人道危機の状況では、こうした状況がさらに顕著になっています。

IOMはこの30年余りの経験で、人身取引との闘いには包括的なアプローチと強力なパートナーシップが不可欠だと学びました。

この点で、子どもへの暴力に関する国連事務総長特別代表事務所とのIOMの活動について強調します。

IOMが支援した10万人以上の被害者の経験談は、被害者の話や彼らの苦悩を注意深く聞かねばならないと我々に教えてくれました。

彼らが自分たちの懸念や経験談を知らせてくれる強さや、より良い対応策を採るために協力しようとする決意は、きわめて大事なだけでなく、我々すべてを奮起させます。

IOM本部 人身取引反対世界デー特設サイト

#EndHumanTrafficking