女性に対する暴力に反対する16日間 ― IOM事務局長メッセージ
11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」から、12月10日の「人権デー」までは、「女性に対する暴力撤廃の16日間」です。
これに寄せて、エイミー・ポープ国際移住機関(IOM)事務局長が声明を発表しました。
(和訳)
ジェンダーに基づく暴力(GBV: Gender-based Violence)は、世に最もはびこる人権侵害のひとつで、少なくとも3人に1人の女性や女児が、その生涯の中で影響を受けています。
多くの場合、この暴力は沈黙と無知の中に影を潜めて横行します。
目の前にあるジェンダー不平等、対等ではない力関係、そして、深く定着している有害なジェンダー規範に根差しているのです。
しかし、GBVとの闘いに対する注目度はあまりにも低く、そしてあまりにも資金が不足しており、私たちはより一層努力しなければなりません。
IOMの72年に亘る歴史において、私は女性として初めて事務局長に就任しました。
私は、この重みを知っています。深く感じています。
ですから、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に寄せて、IOMが私たちの支援を必要とする女性と女児の保護を最優先事項とすると、私は誓います。
今日は、「女性に対する暴力撤廃の16日間」の初日です。今年は、「防止に投資する」行動を呼び掛けます。
IOMは、組織としての役割を果たしながら、GBVに取り組んでいくために、具体的な公約をここに示します。
- この先2年間で、GBVに専属で取り組む職員を5割増やします。
- GBVに遭うリスクを軽減するために必要な資金を調査し、2024年の資金において需給の差に対処します。
- 均整のとれた資金モデルを採用し、対応全体に充てる予算の一定割合を、GBVに遭うリスクを軽減するために配分します。
- 女性が率いる組織に対し、資金提供する仕組みを強化します。GBVに関する取り組みが資金不足に陥れば、悲惨な結果が、私たちの組織だけでなく、私たちが支援する女性や少女たちにももたらされます。つまり、彼女たちの命や生活が危険にさらされるのです。
女性と女児の命や生活を救い、守るための私たちの献身は、この16日間に限られたものではありません。
私たち全てがより安全で平等な世界を目指しつつ、彼女たちの味方であるという約束を果たしながら、毎日心掛けていくのです。