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シエラレオネ 日本政府の支援で若者への就業支援と非正規移住対策を開始

出身国での就業機会が限られているため、近年、多くの若者がシエラレオネを含む西アフリカ地域からサハラ砂漠を超え、リビア等を経由し、欧州に向かっている。こうした移民の多くは非合法な斡旋業者を介して移動しており、移動途中に人身取引や虐待、搾取などの危険に直面する移民も多い。IOMは移動先の国で困難に直面し、帰国意思のある移民の出身国への帰国支援プログラムを行っているが、帰国をしても生活の糧となる仕事が見つからず、再び困窮する場合が散見されている。IOMは日本の援助で、本来国の発展を担うべき若者や女性の雇用の機会を、シエラレオネ国内に生むことで非正規移住の対策を行う事業を開始する。

本事業の活動の柱の一つとして、2,000人の若者や女性に職業訓練の機会を提供し、雇用に繋がる能力強化を行う。訓練の開始時から複数の民間企業と連携を行い、労働市場の人材ニーズに沿ったトレーニングを実施する一方で、卒業後の研修生の就職先に関して民間企業に協力を求める。また240人のシエラレオネの起業家を支援し、国内の若者の間で産業人材育成を行う。更にシエラレオネ国内の100万人を対象に、非正規移住の危険を知らせる啓発活動を、メディア、インターネット、イベントなど様々な形を通じて行う。

4月4日に日本政府との間で行われた署名式において、サヌシ・サヴェジIOMシエラレオネ代表は、「今回の署名は新しいIOMのプロジェクトの開始を意味すると共に、日本とシエラレオネ両国の密接な協力関係を更に強めるきっかけになります。本事業はシエラレオネの若者と女性が直面する非正規移住と人身取引問題に立ち向かう活動です。」と述べた。IOMはシエラレオネにおいて、このように官民連携を通じ、今後も移住にまつわる課題の解決に努める。