日本も2010年から難民の第三国定住を受け入れています。IOMは日本政府からの要請を受け、難民の出国準備、およびタイやマレーシアから日本までの移送等の支援を実施しています。
IOMは1950年代から世界的規模で、受け入れ国や移住する難民のニーズに合わせて、受け入れる難民決定までの受け入れ国政府へのサポートや難民の出発前準備、語学・文化研修、実際の移送など、一連のプロセスを運営しています。
第三国定住とは、難民が一時的な庇護国(避難先)から、恒久的な定住が可能な第三国へ移動して生活を再建することです。難民の審査から第三国の受け入れコミュニティでの定住までの一連のプロセスを指します。
第三国に受け入れられた難民は、迫害からの保護および合法的な在留資格だけでなく、通常、第三国の国民や他の移民と同等の政治・経済・社会・文化的権利が保障され、様々な定住支援が提供されます。
IOMと難民の第三国定住
IOMの難民の第三国定住支援の歴史は、その前身であった欧州移住政府間委員会(ICEM)が第二次世界大戦後にヨーロッパの国々で難民・避難民となった人々の移住を支援した1950年代にまでさかのぼります。その後、IOMはハンガリー動乱、チェコ・スロバキア紛争、チリ難民への支援等を経て、インドシナ三国からの難民の流出、アフガニスタン危機、湾岸戦争、旧ユーゴスラヴィア紛争等、世界各地の情勢に応じ、人々の第三国への移住を支援してきました。
現在、難民の主な出身地はミャンマー、ブータン、ソマリア、イラク、コンゴ民主共和国、アフガニスタン、エリトリア、イラン、キューバなどで、北米やオーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ諸国を始めとした先進国が主な受け入れ先です。
IOMはニーズに合わせて、受け入れる難民決定までの受け入れ国政府へのサポートや難民の健康診断、出発前準備、語学研修、実際の移送など、一連のプロセスを運営しています。