IOMは受け入れ国に合わせた文化・語学研修から健康診断、渡航手続き、実際の移送まで、難民の第三国定住に関する一連のプロセスを運営しています。
健康診断・治療
受け入れ国の多くが、IOMに難民の健康診断を委託しています。健康診断はIOMの専属医師によって行われ、検査もIOMの施設で行われます。何らかの治療の必要があると判断された難民は、受け入れ国が定めた基準に基づき、渡航に適する健康状態に回復するまでIOMの医師による治療およびカウンセリングを受けます。必要とされる予防接種も行います。特に結核などの感染症を出発前に治療することが、難民自身にとっても、また国際的な公衆衛生上も非常に重要です。
IOMは出発直前にも、難民の心身が長時間の移動に耐えうるかを見極める身体検査を実施しています。
必要に応じ、医師や看護師等、医療スタッフが最終目的地までの渡航に付き添います。
生活ガイダンス・初級語学研修・受け入れコミュニティへの難民背景資料提供
IOMは、難民や定住先のコミュニティのニーズに合わせた出発前研修を実施しています。人数に応じて、難民を、若者、子ども、親、独身、家族などにグループ分けし、それぞれのカリキュラムで研修を行います。
受け入れ国の制度や習慣といった生活ガイダンス、および定住先で最低限必要なことばの習得のための語学研修を行っています。出発前オリエンテーションとして、機内や公共スペースでのマナーも学びます。
受け入れコミュニティに対しても、難民への理解を深め適切な支援を行うため、難民の文化的背景、宗教、教育、新生活への希望や心配等の説明資料を提供しています。
渡航手配・出国支援
第三国定住が決まった難民に対し、IOMは滞在している一時庇護国からの出国許可証の手配を行う他、受け入れ国からのビザの取得等の手続きを行います。難民キャンプからの出場許可証の手配も行います。
また、IOMは世界の主要な航空会社と提携し、航空券の手配などの渡航手続きを支援しています。
受け入れ国への渡航
難民キャンプから国際空港までの移動、途中の食事および宿泊施設の手配を行います。空港では、出国や搭乗手続きの際に難民に付き添います。 IOMは世界の主要な空港に事務所を構え、難民が乗り継ぎを行う際の手助けを行っています。必要に応じ、職員が全旅程に付き添う場合もあります。 定住先に応じて、防寒具や靴を適宜提供しています。