新日系フィリピン人(JFC)」に係わる分野横断型ネットワーク構築事業(2008年-2011年)

IOMは、トヨタ財団の資金協力による事業、「新日系フィリピン人(JFC)を支援する政府機関、国際機関、民間団体、企業間のネットワーク構築 - 新日系フィリピン人の日本への帰還・定住スキームの制度化を目指して - 」を、2008年から2011年まで実施しました。この事業は、JFCの人権と福祉を促進し、持続可能な帰還・移住スキームを構築し、同時に、JFCが抱える問題に全力で取り組む日比両国政府、市民団体、企業等の主要参加機関間の強固なネットワークを構築することも目指しました。

English Version

1

分野横断型ネットワークの構築

本事業の第一期では、JFC及び母親の問題を把握するべく、フィリピンのルソン北部、ルソン南部、マニラ首都圏、ビサヤ、ミンダナオにおいて、主要NGOとの連携により、地域会合が5回開催されました。日本でもNGOが中心となり、同様の会合が関東で開催され、日本在住のJFCが参加しました。

これらの地域会合の総括として、2009年6月にフィリピンで、また2009年9月には日本で、全国会議を行いました。フィリピン全国会議では、JFCとその母親だけでなく、政府省庁、NGO、及びその他の関連団体の代表の参加のもと、地域会合で示された課題に基づいて、国家レベルの制度化戦略を構築することを目指しました。また、日本で行われた全国会議では、在京フィリピン大使館、外務省、法務省、民間企業、法律家、研究者等も出席する中、日比両国からのJFC、NGOが参加し、JFC問題の現状、JFC及び母親のニーズ、現行の支援サービスなどについて議論を交わし、JFCとNGOはそれぞれ共同声明を採択しました。

持続可能な帰還・移住スキームの構築(モデル・ケース)

本事業の第二期には、選抜されたJFC数人が日本に安全に移住するための機会を提供しました。就職先を確保して、移住に必要な情報と日本語などの訓練を提供し、渡航手続きを支援、来日後もモニタリングを行い、次なるJFCたちの「モデルケース」をつくるという視点で活動が実施されました。

安全な移住のために

フィリピンにいるJFCが騙されて日本での搾取的な労働に従事させられ、人身取引の被害者となる問題が増えています。
フィリピンでは「援助財団」と名乗る疑わしい団体がJFCを対象として「援助」をする話を持ちかけてきます。しかし、日本での搾取的な労働状況の下で労働を強いることがあります。
そのような不正行為が疑われる場合には、このリストにあるような機関に助言を求めてください