「定住外国人の子どもの就学支援事業」が2014年度末に終了したことを受け、成果報告書を作成しました。

同事業は、2008年秋以降の景気後退により、不就学・自宅待機となっている外国につながる子どもを対象とした支援で、子どもが地域で孤立しないよう、日本語等の指導や学習習慣の確保を図るための場として「虹の架け橋教室」を設け、主に公立学校への円滑な転入が出来るようにすることを目的として実施しました。

IOMは文部科学省からの拠出を受け、2009年から「子ども架け橋基金」の運営を行い、実施団体の公募、審査、モニタリング等を実施しました。

(分割したファイル)

はじめに」より(抜粋)

2015年4月
国際移住機関(IOM)駐日代表
ウィリアム バリガ

「定住外国人の子どもの就学支援事業」は、2008年秋の「リーマンショック」に端を発する世界的な景気後退により、日系ブラジル人等の定住外国人の子どもたちの就学が不安定化したことへの緊急対応として2009年度より始められた事業です。文部科学省からの拠出を受け、国際移住機関(IOM)が事務局となり、基金の運営と事業の実施を担当しました。当初は2011年度までの3年間の実施を予定していましたが、経済状況もまだ上向かない中で、ニーズが引き続き存在するとして、2012年度より3年間延長されました。本事業には6年間で8751人の子どもたちが参加し、4333人の子どもたちが本事業を通じて就学しました。これらの数値が直接的な成果となりますが、本事業を通じて得られた成果として、以下の2点についても指摘しておきたいと思います。

1点目として、これまで十分に見えていなかった子どもたちの課題を可視化したことです。不就学の子どもたちの数にかかる調査はこれまでも各地で行われてきたところではありますが、不就学等の子どもたちは見えづらい存在であり、子どもたちが抱える課題は十分には語られてきませんでした。本事業を通じて各地でこれらの子どもたちの支援にあたったことから、子どもたちの置かれた状況やニーズが集合的に明らかになってきました。2点目として、本事業の実施を通じて、各地域で外国人の子どもたちを支援するための資源が育った点があげられます。ここでは資源の成長とは、人材の育成や支援方法の蓄積、連携体制の構築などを指しています。本報告書にまとめることができたのは、6年間に及ぶ各地の実践のほんの一部に過ぎませんが、これらの成果を今後の実践につないでいくための記録として本報告書は作成されました。