IOMは、移住に関わる脆弱性の確認を促し、移民へ提供可能な保護と支援をより充実させるために、一連の出版物を発行しました。これらの出版物は2020年2月に、この種の内容としては初めての試みとして発行され、暴力や搾取、虐待を受けているか、その恐れがある移民への保護と支援を提供するに当たり、政策決定者や実務家に対し、業務における的確な方向性を示す内容となっています。
IOMによる移民の脆弱性に関する取り組みは、移民の人権は擁護され尊重されるべきであり、彼らが必要とする保護と支援が提供されるべきであるという理念に基づいています。 暴力や搾取、虐待に苦しんでいる移民たちは、そこから回復するための支援にたどり着くことが難しいという場合がよくあります。
この新しいハンドブックは暴力や搾取、虐待に対して脆弱な移民への保護と支援を向上させるために、各国政府や国際機関、NGOの役に立つように作成されました。関連の出版物には、以下の3種類があります。
- 「暴力や搾取、虐待に対し脆弱な移民の保護と支援のためのIOMハンドブック」
国や民間部門、国際機関や市民社会の関係者に対する、暴力や搾取、虐待に対し脆弱な移民の支援や保護、そして識別や照会のために実務的なガイダンスを提供。脆弱性を緩和したり減らしたりするための行動を紹介。移民の出身国・経由国・目的国のいずれでも適用可能。
IOM Handbook on Protection and Assistance for Migrants Vulnerable to Violence, Exploitation and Abuse (英文の紹介およびPDFへのリンク)
- 「暴力や搾取、虐待に対し脆弱な移民と人身取引の被害者の保護と支援のための照会メカニズムについてのIOMガイドブック」
先述の「ハンドブック」を補完するもので、暴力や搾取、虐待に対し脆弱な移民の照会メカニズムを構築し、活用するためのガイド。
IOM Guidance on Referral Mechanisms (英文の紹介およびPDFへのリンク)
- 「暴力や搾取、虐待に対し脆弱な移民への対応計画についてのIOMガイドブック」
先述の「ハンドブック」を補完するもので、地方、国、そして国家を越えた各レベルにおける、暴力や搾取、虐待に対し脆弱な移民の保護と支援に関する計画策定過程において、戦略的かつ実務的な対応を強化するためのガイド。
IOM Guidance on Response Planning for Migrants Vulnerable to Violence, Exploitation and Abuse (英文の紹介およびPDFへのリンク)
これらの一連の出版物の作成には欧州連合の支援とIOM開発基金からの資金が活用され、IOMおよびUNICEFが連携してUNODCによって実施された合同イニシアチブである、移民の密入国や人身取引に反対するグローバル・アクション(GLO.ACT)の枠組みで出版されました。