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スーダン 日本政府の支援による保健・国境管理の緊急支援を開始

ゲダレフ州にある病院で子どもの健康診断に付き添う母親 ©IOM Sudan 2025/Omer Hagali 

【ポートスーダン発】国連IOMはこのほど、日本政府からの150万米ドルの貴重な拠出金により、スーダンの保健衛生状況の急速な悪化への対応及び人道的な国境管理を支援する活動を開始する。

スーダンは現在、世界最大の避難民を抱える危機に直面しており、人道的な状況は壊滅的なレベルまで悪化している。避難民が身を寄せる過密地域は不衛生で、コレラ、マラリア、デング熱、はしかといった命に係わる病気の温床となっている。

コレラの流行は2024年8月に宣言され、2025年1月初旬までに国内11州で51,300人以上の感染が確認され、うち1,350人以上が亡くなった。東部に位置するカッサラ州とゲダレフ州で、最も深刻な被害が生じている。

 

モハメド・レファート国連IOMスーダン代表は以下のように述べた。
「スーダンの人々が前例のない苦境にある厳しく困難な時に、日本政府が支援を継続してくださいました。これにより国連IOMは、最も切実に支援を必要とする人々へ、必要不可欠な人道支援を届けることができます。」

現地の保健医療インフラは悲惨な状況で、紛争の影響を受けた地域では、保健施設の7~8割は機能していないか、供給不足の状態にある。人口の65%が、適切なヘルスケアを受けられていないと推計されている。

この支援を受け、国連IOMは、命を守るための保健医療サービスを強化し、疾病の発生への対応を急ぐ。また、「移動する人々」の安全で尊厳のある往来を確保するため、人道的な視点からの国境管理を改善する。

この取り組みは、特にゲダレフ州、北部州、西ダルフール州で紛争により避難を余儀なくされた、最も弱い立場に置かれている人々を対象に行う。

 

水内健太郎在スーダン日本国大使館臨時代理大使は以下のように述べた。

「日本は長きに亘り、スーダンにおける深刻な保健医療の危機への取り組みを支援してきました。この活動は、命を守るための保健医療サービスを届ける国連IOMを通じて、大規模な避難や感染症の発生の恐れが顕著な地域社会の緊急支援のニーズに応えようとしています。スーダンの不十分な医療インフラにより、多くの人々がさらに困難な状況に陥いる中、人々が直面する苦難が軽減するよう日本が一歩踏み出すのは実に意義深いことです。」

この活動は、保健医療分野の資源を最適化し、現地関係者を力づけ、持続可能な解決策を促進する。国連IOMは実施にあたり、スーダン政府や各州保健省、出入国管理関連機関、そして現地で活動する人道支援関係者、国際協力機構(JICA)と綿密に協力していく。