スリランカ 津波被災者の登録 2005年7月 景山綾子

IOMはスリランカにおいて、津波の被災者の登録活動を支援しました。データは津波被災者支援活動に役立てられました。

津波被災者の登録 - データセンター設置に向けて -

2005年7月22日
(IOMスマトラ沖地震及び津波被災者支援ニュースNo.20より)

IOMスリランカ事務所 
登録・情報管理/防災事業担当
景山 綾子

私は、被災情報の登録とこれを一元的に取りまとめるデータセンターの設置事業を開始するため、スリランカ政府(大統領府)、モラトゥワ大学科学技術研究所、被災した県の知事ほかと折衝を重ねています。

スリランカにおける被災情報管理の現状

スリランカではもともと住民の情報等が中央政府や各県庁に統一した形で管理されておらず、また多くの情報は手書きで保存されているため、必要な時に電子的に検索できない状態です。被災直後は、各政府機関や援助機関が個別に情報収集し、正確なデータを把握しにくい状況にありました。政府は未曾有の大災害を経験した今、中央・地方政府が共有できる、被災情報の一括電子データシステムの設置を目指しており、IOMも技術支援をすることを決定し、具体的な支援のあり方を検討しているのです。

この事業は、被災情報を一元的に集約することで、効率的な情報収集と被災者への迅速で円滑な支援を行うことを目的にしており、中央政府も県も強い関心を寄せています。一方で、具体的な情報収集・共有の手法等、「各論」においては国レベルや地方レベルで要望や目的が異なり、なかなか合意に至れないのも現状です。この事業の開始に向けては、関係者の理解と協力を円満に得られるよう、IOMは日々模索を続けています。
IOMはイラクやアフガニスタンなどで避難民の登録事業を実施しており、それらの経験を基に、スリランカに馴染む手法を開発中です。最終的には他の自然災害等に迅速な対応がとれるようなデータベースが作られ、スリランカの人々の暮らしがより安定することを目指し、知恵を絞っています。


マータラ県での会合

「折衝を重ねている」と書きましたが、その一端をご紹介します。7月5日には、スリランカ最南部のマータラ県で、大統領府職員、県知事代理、IOM職員が今後の活動内容を決めるための会合に出席しました。朝6時50分、暗闇の中、首都コロンボを出発し、4時間の車の移動を経てマータラ県庁に到着しました。マータラ県はこの事業の有用性を認め、また実施の熱意を強く持っており、県庁設備内にデータセンター用のスペース、機材等を確保し、明日にでも事業を始められる状況にしてくれています。IOMスリランカ事務所は、中央政府と県との間の調整にも協力しています。

この会合では、6月に着任したばかりの私にも向けて、マータラの本事業への準備状況の説明が行われたほか、実施体制・方法を協議しました。この後、県庁の事業用スペースの下見、県の下部区画である区役所の訪問や区長との協議を行い、関係者の期待と今後の仕事の計画を土産に、午後9時ごろコロンボに戻りました。

区役所を訪問した際、被災者のデータを入力、管理している若手職員の仕事振りをみると、限られた機器で丁寧に仕事をしています。彼女・彼らの素質を生かし、さらに研修して能力を伸ばせば、長期的に地方行政体の強化に繋がる予感も得ました。現場で関係者と会い、状況や要望を把握しつつ、色々なアイディアを練ることが大切だ、と改めて実感しました。