IOM駐日事務所 インターン体験記 2007年6月 梅原徹

IOM駐日事務所で約一年間、主に広報の仕事をインターンとして手伝ってくれた梅原徹さんが寄せてくれた体験記をご紹介します。

 

IOM駐日事務所でのインターンを通して

2007年6月 梅原 徹
(インターン期間:2006年8月~2007年6月)

私はIOM駐日事務所にて、約一年間インターンを経験しました。インターンを通して国際機関が自分の将来の職業として適当かどうか確かめたいと思った事が始めた大きな理由です。そして大学院へ進む事を決めていた私にとって、次の段階へのステップアップになるのではと感じました。その点では、IOM駐日事務所でのインターンを通して目的を果たせたと感じています。

 

自分に合っていた環境

駐日事務所は小さな事務所です。今思うと、その事が私にとっては重要な事でした。小さな事務所ですと、私が何も関わっていない事柄でも自然に耳に入ってきます。例えば、IOMが扱っている人身取引の件に関しても、日本のどこで起こっていて、どのような状況で、面接の様子等々、職員の方たちのやりとりを通して感じる事ができます。もちろん本当の詳しい部分を理解しているかと言ったらそうではないのですが、国際機関を将来の職業として見極めるのには重要な経験でした。実際に国際機関の事務所の仕事をすぐ近くで見て、感じる事ができる環境は日本では数少ないのではと思います。

職員の方たちから直接お話を聞く機会が多くあった事も素晴らしい経験でした。これも事務所の規模と関係するのかもしれないのですが、インターンも私一人だった事もあり、国際協力に関する多くのお話しを聞くことができました。さらに現場での経験に基づいたお話は、本やテキストから入ってくる情報よりも新鮮で、国際機関の活動を理解する上で大きな要素であったと思います。そんな方たちから新しい知識を聞く事をいつも楽しみにしてIOMに通っていました。全体的に言える事でもありますが、何か学校の少人数制クラスのような、インターンにはそんな利点が多くあったと思います。それゆえ内容は濃いものでした。お話を聞けば聞くほど、現場への興味も増すといった具合でした。

広報の仕事

周りの環境だけではなく、IOMの広報のお仕事に携わった事が国際機関を理解する上で大きな経験でした。もちろんですが、そもそも広報のお仕事はIOMという国際機関を理解していないと務まりません。そのお仕事だったので、国際機関を理解するにはとても良い訓練でした。私は広報のお仕事の内、毎週本部から送られてくるニュースの和訳と広報に関する雑務をこなしました。ニュースの和訳を通しては国際機関の活動の理解、IOMが関わる「人の移動」に関する問題、国際協力で使用する言葉の言い回しなど基本的で知っていなければいけない事柄を教えて頂きました。広報でのインターンを通して、国際機関への理解度が増したと感じます。

ステップアップという意味でも広報のお仕事で得たものは多かったと思います。国際協力とは関係なしに一般的に知っていなければならない事、書類の書き方、実際に働いた時に気を付けなければならない事なども教えて頂きました。なによりも、実際に社会人として働いていらっしゃる方に付いて、教わる事ができるのは貴重な経験でした。私はちょっとした間違いもよくしてしまい、迷惑をかけてしまいましたが、それでも様々な仕事を任せて頂いた事に感謝しています。

不満な点

正直、不満な点は見つかりません。あえて挙げるとすれば実践的な現場に行ってみたかったという思いはありました。もちろん自分のあきらかな力不足は目に見えているわけで、敏感な問題である移住問題に携わる事など問題外だと感じます。それはインターンを経験してさらに感じるようになりました。しかし一方で、現場にいってみたいという思いは以前より強くなったと思います。この思いはこれから大学院で勉強し国際機関へのキャリアを積み上げていく際に、大きな力になるのではないかと感じます。

人との出会い

上記でも述べた通り、現場で働いていらっしゃる方々に多く出会う事ができた事は貴重だったと感じます。駐日事務所の職員の方達だけではなく、本部やフィールドの方達が訪れた際には現場のお話しを聞く事ができました。IOMの職員の方々だけではなく、様々な国際協力関係の方々も事務所に出入りしていました。ただのインターン生がお話しをする事も難しいような方に合う機会もありましたし、申し分ない環境でした。国際協力に関係する様々な方達のお話は、自分の将来の方向性を決定するのに大いに役立ちました。

 
日本で、数に限りがある国際機関のインターンを経験するのは難しく、IOM駐日事務所のインターン募集を偶然見つけ、実際働くことが出来たのは幸運だったと思います。振り返ってみると、インターンではありますが、国際協力の現場に足を踏み入れた事が、国際協力という分野への世界を広げてくれるものでした。インターンを始める前、大学院に行く事は決めていましたが、この分野の道に進もうか正直決めかねていました。今はいつか将来、国際機関で働きたいと確信しています。