IOM駐日事務所 インターン体験記 2010年4月 李千晶

IOM駐日事務所で約半年、インターンとして勤務された李千晶さんが寄せてくれた体験記をご紹介します。最初の3ヶ月は新日系フィリピン人支援事業を、後半はオペレーションおよび広報の業務をお手伝いいただきました。

IOM駐日事務所でのインターンを通して

2010年4月 李 千晶
(インターン期間:2009年8月~2010年1月)

私は韓国人の両親のもと、韓国で生まれ、10歳のときに親の転勤でたまたま日本へ来ました。その後、縁があり、日本へ住み続け、帰化もしました。私は国際家族法、特に国籍に興味を持っています。また、個人のアイデンティティと国家の関係も考え続けてきました。

私にとって、IOMは「移住」に関わっている「国際機関」であるというだけで、興味を持つのに十分な理由がありました。また、韓国語と日本語、英語を使える環境であったことも、ものすごく魅力的でした。 

「新日系フィリピン人」に関する東京会合のプロジェクト・インターンとして

準備期 
約1週間の日程の中、ワークショップ、関係者会合、フィールドトリップが予定されており、私は全てのロジスティックを担当させて頂きました。当初は、全てを自分一人で回すことができるのか、正直不安でした。ただ、前任者の方がすでに大枠を決めておられたので、もう腹を括り、ともかく前に進めました。進めているうちにやるべき事がはっきりするようになり、質問すべきことも分かるようになりました。質問さえはっきりすれば、経験豊富な事務所職員や、ときには業者の方からもアドバイスを頂けました。

また、職員の方が随時、足りなそうな点を指摘して下さったために、一人で盲点を心配する必要もありませんでした。結果的にたくさんの方のアドバイスや助力のお陰でなんとか開催日にたどり着くことができ、私はこれだけでも非常に勉強になりました。

開催中
1週間、とにかくよく走り回りました。ただ、ロジ担当という裏方だったので、落ち着いてワークショップや会合内容を聞くことはできませんでした。そのせいもあり、JFCの子どもたちと直接話せる機会は少なかったのですが、一人のJFCと帰りに電車の中で1時間ほど話すことができました。彼は辞書を片手に、言葉が分からないながらもバイト先でなんとか同僚と打ち遂げようとしていること、バイトをしつつも工夫して時間を作り日本語を勉強しようとしていることなどを話してくれました。決して楽ではない現状の中で彼はとても明るく前向きで、私は心から応援を送りたくなりました。

オペレーションの補助業務

主にアメリカへ向かう難民が成田空港で飛行機を乗り継ぐ際、必要となる事務処理を補助しました。この業務はいつなんどきに不測の事態が起きるかが分からないため、担当職員の方は、毎日、その日の最終便が成田を出るまで事務所に残っています。業務である以上、当たり前のことかもしれませんが、緊急事態にも速やかに対処しようとする職員の方の姿勢がとても素敵でした。

広報インターンとして

プレスブリーフィングノートをはじめ、現在、IOMが関わっている業務内容が書かれた英文を翻訳することで、それまで見えていなかったIOMの仕事が少しずつ分かるようになりました。また、IOM駐日事務所が載っている新聞記事の検索は、事務所の中で行われている業務がどのように報道されているのかがすぐに分かるため、とても参考になりました。

このほかにも事務所の移転パーティの準備、進行中のプロジェクトやシンポジウム準備のための翻訳業務など、本当にたくさんの業務に関わらせて頂くことが出来ました。

インターンを終えて

国際機関でのインターンを経験できたことで、国際機関とNGOの違いが少し分かった気がします。NGOは支援を受ける人との距離が近いという良さがありますが、国家とは距離が遠くなります。これに対して、国際機関は、国家と交渉して支援をルートに乗せることができる点に醍醐味があると思いました。NGOにはNGOの、国際機関には国際機関の良さがある、とはこういうことだったのか、と実感しました。

IOM駐日事務所は、日本国内にも「現場」を持っているので、インターンも当事者に直接対応する機会に恵まれています。また、小規模な事務所なので、中にいれば、自然とそれぞれのプロジェクトの進行状況を耳に挟むことができます。そういう事務所に半年間インターンをさせて頂き、既にキャリアを築いていらっしゃる職員の方とお話できる機会にも恵まれ、一番痛感したのは、社会人としての自分を磨かなくてはならないということです。こういう刺激を受けられただけでも、インターンをして本当に良かったと思います。