難民の移動支援の現場を見学して 2010年12月 駐日事務所インターン 柴田理絵

難民の移送支援の現場を見学して

2010年12月
IOM駐日事務所
広報インターン 柴田 理絵


IOM駐日事務所は、一時的な庇護国から、恒久的な定住が可能な第三国へ移住する難民の移送支援に携わっています。成田空港でも、週平均約200人の難民が新たな定住国へ向けてフライトを乗り継いで行きます。今回私は幸運にも、IOM職員の方と乗り継ぎ現場に同行させて頂きました。

IOM駐日事務所職員は、到着した難民たちに健康上の問題がないか、無事に乗り継ぎができるかなどの確認を行います。多くの場合は英語で難民とコミュニケーションをとるのですが、少数民族や英語圏に住んでいない難民には英語での意思疎通が難しい場合もあります。今回も英語が全く分からない難民がいました。私自身は難民の出身国に以前住んでいたことがあったため、母国語でコミュニケーションをとりました。

今回の難民のトランジット時間は2時間半から4時間ほどでしたが、待ち時間が非常に長いケースもあって8時間ほど空港で待機するという状況も過去にはあったようです。皆さん慣れない長時間の飛行機でお疲れの様子でした。特にビルマ難民の子どもたちはエスカレーターや水飲みスタンドに興味津々でした。何度も水飲み場を行き来しながらはしゃいでいました。日本の技術に子どもたちは大興奮していました。退屈なはずの待機時間も子どもたちにとってはあっという間のようでした。

 

- 難民との対面 -

難民にはさまざまな種類がいるのだと改めて思いました。今回は3ヵ国からの難民と対面することができました。やはり育った環境や国柄で彼らの行動も様々でした。比較的都会で育った人たちは空港内を見て回ったり、自らネットカフェを探したりと、とてもアクティブでした。一方で郊外暮らしをしていた人たちは周りを常に見回していて、落ち着かない様子でした。

一組の難民のグループは皆IOMのマークが入った目印代わりのシールを胸に貼り、IOMのビニールバッグを手に、IOMのマークを持った空港職員とIOM職員に誘導されていました。
成田に到着した時は、みんなで一列にならんで、前の人を見失わないように衣服を掴んで不安そうな面持ちで歩いていて、その姿を見て子どもの頃の遠足を思い出しました。

 

- 見学を終えて -

今回、私は30人ほどの難民のアメリカへの乗り継ぎアシストに同行させていただきました。非常に貴重な経験をさせて頂いたと心から感謝しています。

今まで、何十回と成田空港を利用していましたが、まさか難民の方たちが待機していたとは思ってもいませんでした。もしかすると、私がアメリカを行き来していた飛行機にも同乗していたかもしれません。

改めて難民にも様々な種類の人たちがいるのだなと思いました。ほんの数時間を共にしただけなのに、とても別れがたい気持ちで一杯でした。

しかし、彼らは新たな定住先に既にいる家族との再会を心待ちにしていたり、新たな生活への夢を抱いていたりと、多くの方たちは希望を持って旅立って行くので彼らの幸運を願うと少し気持も楽になりました。待ち時間に教えた日本語の「さよなら」と、別れ際に笑顔で手を振っていた光景が未だに心に残っています。

日本も今年から難民の第三国定住の受け入れを始めましたが、改めて日本もよりも多くの難民に機会を与えられる国になっていたらと強く思います。

そのためにも、市民社会、政府、国際機関が共に、難民を含めた移民が住みやすい国を作っていく必要性を感じました。国籍や文化が違う人々が共に暮らしていける国を作るためにも。