駐日事務所 インターン体験 2015年3月

忘れかけていた初志 IOMでの7か月を通じて思い出したもの

田村 英子
(インターン期間:2014年9月 - 2015年3月)

「国際機関に勤務することです」----大学入試面接で教官に将来の目標をたずねられた際、そう答えたことを今でも覚えています。言ってはみたものの、それはあまりに壮大な計画過ぎて、当時の私には全く実現可能性など無いように思えました。国際問題に関心があっても、具体的にどうすればかかわっていけるのか、見当もつかなかったというのが正直なところです。

大学に入学し、国際社会に存在する問題を学びながら、自分に何ができるのかと悶々とする日々。国際関係学を専攻していたのですが、その学問の広範さゆえに、自らの専門性を定められないことに焦りも感じていました。そして月日は飛ぶように過ぎていき、あっという間に4年が経過。目の前のことに追われ、入学当初の志など思い返すことも少なくなっていきました。春に就職活動を終え大学生活の終わりを意識し始めた7月頃、大学のゼミでたまたまIOMの名前が挙がりました。組織構造を調べようと、手元のパソコンでIOM駐日事務所のサイトを閲覧していたところ、そこには「インターン募集」の文字が。どうせ修士課程在籍が条件だろう…と半ば諦めつつクリックしてみたら、なんと学部4年生から応募が可能と書いてあるではないですか!一方的に運命を感じ、忘れかけていた国際機関勤務への情熱が再び燃え上がりました。

幸いにも採用して頂き、9月からインターンが始まりました。国際協力の屋外イベント、グローバルフェスタに始まり、主に広報分野で様々な業務にかかわらせて頂きましたが、なかでも印象的だったのが駐日事務所のFacebook・Twitterページの立ち上げです。どうすればより多くの人にIOMを知ってもらえるのか?自分なりに試行錯誤したつもりではあるのですが、上手くいかないことの方が多かったように思います。ただ単に情報を載せるだけでは不十分で、デザインや言葉のセンスなど、様々なスキルが求められていることを痛感しました。また、国際機関である以上、他国のIOM事務所との効率的な連携も必要とされています。時差や文化的な感覚の違いがあるなかで、同じ目標と戦略の下に動く難しさも垣間見ることができました。

もう一つ特に印象に残っているのが、職員の方々のお人柄です。まさに雲の上の存在だった「国際機関」で働く方々に対し、粗相があってはいけないと日々気張っていた私でしたが、みなさまは本当に気さくに接してくださいました。何かお手伝いをした際は、必ず「ありがとう」と感謝のお言葉を頂き、自分がどんな立場であれ、相手がどんな立場であれ、礼儀を忘れてはならないと再認識させられる日々でした。


「学部生だから無理」「忙しいから無理」「私なんかに無理」…と言い訳を羅列して挑戦もせずに諦めてきた国際機関勤務という夢でしたが、くすぶっていた情熱をかき集めて手を伸ばしてみたら、実は思っていたほど遠い存在ではないのだと気づかされました。また、「国際」機関だからといって、日本「国内」の問題を無視しているわけではないことも学びました。その中でも虹の架け橋事業 や人身取引対策 など、むしろ積極的に日本における問題に取り組んでいるのがIOMです。インターンを通じて、そういった点からも国際機関をより身近な存在として意識するようになりました。同時に、そうした国際的な問題の解決に自分も積極的にかかわっていきたいと、大学入学時よりも明確なビジョンとともに、考えるに至りました。加えて、「私なんかに無理」と思っていた最も大きな要因である、専門性を持っていないことに対する負い目ですが、今では「この部分の知識をつけていけば、自分の強みになるはず」とむしろ前向きに捉えられるようになったことは、最も大きな収穫です。


IOM駐日事務所は、学部生もインターンとして受け入れている数少ない国際機関です。かつての私のように挑戦を躊躇している学部生の方には特に、是非一度門をたたいてみて頂ければと思います。 (注:募集により応募条件は変わります)


最後に、このような貴重な機会をくださったIOM駐日事務所のみなさまには、ここには書き切れないほど多くのことを学ばせて頂きました。心よりお礼を申し上げます。インターンを通じて思い出せた初志を忘れず、今後も日々精進を重ねていく所存です。