国際機関へのキャリアパス

国際機関へのキャリアパス
2014年5月

国際移住機関(IOM)
駐日代表 ウィリアム・バリガ

国際機関で就職するには、6つの方法があります。それぞれどの程度有効かは、諸々の状況と個々の条件によって異なります。

1 空席ポストに直接応募する
この方法がおそらく最も難しい方法ですが、チャレンジしてみる価値はあります。

何百人の人がウェブサイト上のたった一つの空席に申し込むでしょうし、国際機関内部の候補者にもポストは開いているので、競争は非常に厳しいものになります。

下記のリンクなどで空席ポストを探すことができます。

国連:
https://careers.un.org/lbw/home.aspx?viewtype=SJ&vacancy=All
http://jobs.unicsc.org
http://unjobs.org/organizations

IOM:
http://www.iom.int/current-vacancies

2 国連ボランティア計画(UNV)のプログラムを通じて

UNVは世界規模のボランティアリズムによって、平和と開発に貢献している機関です。UNVを通じて国際機関などでボランティアをすることで、同時に将来のキャリア形成の重要な機会となる、一石二鳥のプログラムです。UNV本部はドイツのボンにあり、国連開発計画(UNDP)の事務所を通じて世界各地で活動しており、UNDP執行理事会に活動を報告しています。
http://unv.or.jp/

また、UNVと連携した平和構築人材育成事業を通じて、という方法もあります。同事業は2007年度に外務省によって始められ、現在まで続いています。国内研修の後、UNVが海外実務研修の派遣先とのマッチングと派遣を担当しています。国内研修後、研修員はIOMや国連機関等に一年間派遣されます。これまでにIOMは15人を受け入れています。この15人のうち5人は一年間の海外実務研修後も雇用されています。そしてこの文章を書いている今現在、3人が今もIOMで働いています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/peace_b/j_ikusei_shokai.html
 
3 JPO派遣制度を通じて

日本はJPO(Junior Professional Officer)派遣制度を支援しているドナー国の一つです。毎年、30人ほどの日本人JPOが外務省の国際機関人事センターによって、多様な機関に派遣されています。IOMは年に2、3人を受け入れています。IOMは高い確率で、JPOを終了した人材を雇用し続けていることで知られています。

外務省国際機関人事センター
https://www.mofa-irc.go.jp/

4 NGOで経験を積む
国際機関はNGO、特に国際NGOでの職務経験を評価します。NGOは実務的で実地の仕事をする場と捉えられており、国際機関の巨大な官僚組織では必ずしも経験することができないことも学ぶことができます。

5 インターンシップ

大学院生は国際機関でのインターンシップを通して、これらの機関の仕事を学ぶだけでなくネットワークを構築することができます。IOMは世界中でいくつかの大学とインターンシップ協定を結んでいます。そのうち2つが東京外国語大学と名古屋大学です。

IOMは他の国際機関と同じく、特に募集をしていなくてもインターンの申込みを受け付ける場合があります。しかし、それぞれの機関のウェブサイトでインターンシップの空席を確認することをお勧めします。
 
IOMインターン情報
http://www.iom.int/current-internship-opportunities 

IOMタイ事務所の例
https://thailand.iom.int/internships

インターンシップはあらゆる地域、職種、そして期間ですることが可能です。先進国でも途上国でも、ローカルでもインターナショナルでも、インターンシップは常に役に立ち、評価されます。職種に関しては、通信、ドナーリレーション、オペレーション、管理部門、法務などいろいろありますが、どの分野で働くかはインターンがどの国際機関でキャリアを築きたいかによります。

また期間に関しては、インターンの職務可能期間と受け入れ機関の要件によります。概して、より多くのそしてより多様なインターンシップの経験があればあるほど、インターンのCVには良いです。

6 コネクションとネットワーク
6つの方法の中で、この方法がおそらく最も信頼に足らないものですが、うまくいくこともあります。適切なコネクションとネットワークによって、空席がいつ、どこであるかを知ることができる場合があります。また採用担当者がまさにどのような人材を欲しているかを知ることができるかもしれません。

国際機関はどんな人材を欲しているのか

経験
国際機関はたとえ専門のキャリアを始めたばかりの人だとしても、即戦力を求めています。学校を卒業したばかりの人たちは、インターンもしくはボランティアとして少なくとも数年間の関連分野での職務経験があることを期待されています。

言語
少なくとも英語、望ましいのは英語とフランス語両方です。スペイン語、中国語、アラビア語、ロシア語もまたこの2カ国語の次に求められています。

学歴​
最近では、学士だけの学歴ではほとんどの場合、採用担当者の目に留まりません。採用担当者は何百もの申込書とCVを読まなければならないため、一番高い学歴のものを残すことは自然ではないでしょうか。

募集職種と教育を受けた分野が合ったとしても、修士号や博士号といった高い学歴に比べると評価されない場合もあります。国際機関の中には修士号を2年間の、博士号を3 - 5年間の職務経験と同等と評価するところもあります。

教育分野​
国際機関の数は多く、数多くの分野の問題を網羅しています。すなわち、国際機関で働くことが目的であれば、どの分野の教育を受けているかはあまり重要ではないということになります。

医学を学んだ人にとっては、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が潜在的な雇用主でしょうし、経済学を学んだ人にとっては世界銀行、国際通貨基金(IMF)でしょう。法学のバックグラウンドがある人は世界知的所有権機関(WIPO)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)などでしょう。また国際関係学や社会科学・政治学を学んだ人は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連人道問題調整事務所(OCHA)、 国連開発計画(UNDP)、IOMなどの人道もしくは開発機関に必要とされるでしょう。

国際機関でキャリアを始めるにあたって重要なスキルと経験

国際機関で働くつもりであるならば、重要なスキルは言語能力です。例えばIOMは、英語、フランス語、スペイン語の3つが公用語です。また国連には6つの公用語があります。

人道、開発分野の機関で働きたいのであれば、活動現場での経験、特にNGOでの経験、その中でも国際NGOでの経験、もしくはUNVでの経験が高く評価されるでしょう。しかし国際機関はとても多くあるので、おそらくどんな分野の経験でも評価はされます。

能力として求められるのは、多文化の環境で働く能力、チームとして働く能力、監督がほとんどない中で働く能力、そしてただちに違う国に移動することに抵抗のないことです。