事業のようす

日本 外国籍住民自立就労協会 提供子どもたちは、日本語指導や教科指導を行う指導員や、ポルトガル語等の母語指導を行うバイリンガルの指導員とともに、日々の学習に取り組んでいます。また、コーディネーターが、地域における不就学の子どもたちの発見から、公立学校等への就学までの支援、学校や教育委員会等の関係者との連携構築を担っています。

各実施団体は、子どもたちが安心して次の就学先に進めるよう、さまざまな取り組みを行っています。保護者との連携はそのうちの一つです。保護者面談、授業参観、家庭訪問などの機会を積極的に設け、日本の学校制度の説明などを通じ、不安を解消するための働きかけを行います。連絡帳などを通じ、日常的に細かい情報交換を行う団体もあります。日本語を話せない保護者が多くいますが、その場合、連絡は母語を理解するスタッフや通訳を通じて行われます。就学手続きをするために「虹の架け橋教室」のスタッフが教育委員会や公立学校に同行するなどの配慮をしている団体もあります。地元の公立学校の見学や授業参観、スポーツ大会での公立学校との交流等も行われています。

日本 架け橋教室におけるこいのぼり作り 可児市国際交流協会 提供さらに、この事業では各実施団体が地域の行事への参加や社会見学をさまざまに企画・実施しています。外国につながる子どもたちやその保護者にとっては、言語の壁もあり、日本社会と接点が薄くなりがちです。日本社会と接するさまざまな機会を提供することで、子どもたちや保護者が地域社会の一員としての自覚を持つと同時に、地域社会の日本人が子どもたちの存在を知り、受け入れる意識を高めることにも大きく寄与してきました。具体的には、地域の文化行事への参加、節分・ひな祭り・七夕・こいのぼり作り等の伝統的な年中行事の体験の機会が、季節に応じて企画されています。

また、子どもたちが日ごろあまり使う機会がない公共交通機関、図書館や郵便局等の公共施設について、どのように使うのか、スタッフやボランティアが見守る中で体験します。地域の中で身を守る方法も、地域の防災訓練への参加、起震車等による地震体験などの災害についての学習や、交通安全教室への参加を通じて学びます。その他にも、地元企業への社会見学等、さまざまな取り組みが行われています。こうした経験により、子どもたちは日本人に親切にされる機会を得て、安心して地域社会に出られるようになったという報告が寄せられています。

架け橋サポーター

日本 2011年11月に開催された 「定住外国人の子どもの就学支援事業」シンポジウムで 自作のフォトストーリーを発表する架け橋サポーター © IOM 2011事業を実施していく中で、子どもたちにとって「大きくなったら○○さんのようになりたい」と目指すことのできる「ロールモデル」が身近にいないこと、そのために自分の将来を描けず、学習の意味を見いだしにくいことが課題としてあげられました。就学や学習への意識を高めるためには、子どもたちが自信や将来への夢を持ち、前向きに生きる意欲を持つことが重要であることが明らかとなりました。このため、「架け橋サポーター活動」の取り組みを実施しました。ブラジルなどから来日してから、日本で高校・大学への進学や就職を果たし、現在、日本社会で活躍している先輩に「架け橋サポーター」として、子どもたちへのサポートをお願いしました。子どもたちは「架け橋サポーター」との対話を通して自分のことや将来の夢に関する「フォトストーリー」を制作しました。子どもたちにとっては、先輩の経験を参考に今後の目標を考えるきっかけとなりました。