日本で暮らすアメリカ出身のクリスティーン梨菜さん

世界各地の移民のストーリーをウェブサイトやソーシャルメディアなどで紹介して、人の移動や移民のポジティブな側面を伝える、IOMの‪#iamamigrant‬ キャンペーン(http://iamamigrant.org/)(敬称略)

「日本の人たちにはもっと海外に行ってほしいと感じます。日本のおもてなしの心は素晴らしいと思いますが、もっと他の国々の様子を知ってほしいです。」

iamamigrant christine lina

私の両親はともに日本人ですが、アメリカで出会って家庭を持ち、長年アメリカに暮らしていて、日本に帰る予定はありません。私も生まれてからずっとアメリカで育ちました。

大学卒業後、日本で働くことを希望していたので、現在の勤め先である一般財団法人 自治体国際化協会(CLAIR)が実施するJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)に応募しました。アメリカと日本の両方の国籍を持っていましたが、このプログラムは外国籍の青年が対象だったので、合格後、複雑な気持ちで日本国籍から離脱しました。

日本で働くようになって4年半になります。最初は地方都市の市役所で国際交流員として、小学校や保育所などでの文化交流活動を始め、小学校での英語指導、市民のための英会話教室の運営、役所での翻訳業務といった仕事をしていました。現在は東京で、研修の実施などを通じて、多文化共生に取り組む自治体・地域国際化協会などの支援をする仕事をしています。

長い間、自分は日本人なのか、アメリカ人なのか、疑問を感じながら生きてきました。でも、日本が好きでいつかは日本で働きたいという気持ちははっきりしていました。それはやっぱり自分のルーツが日本にあるからであり、アメリカに加え、日本は母国の一つだと感じているからなのだろう、と思います。

アメリカで小学校に通っているとき、両親は週一度、私を日本語の補習校に通わせていました。自分とは違い、通っているのはアメリカに一時的に滞在している日本人の子どもがほとんどだったため、なじめないことも多く、当時は面倒に思っていたのですが、今となっては、両親に感謝しています。家ではなるべく日本語で家族と会話をしていましたが、それだけでは高いレベルの日本語を習得するのは難しかったと思います。祖父母や親戚と直接話せなくなるのは悲しかったので、独学に励みました。同時に英語にも苦手意識があり、それを克服すべく、大学では英文学と教育学を専攻しました。

日本語ができるとはいえ、職場での言葉遣いはまた別物ですし、電車でのマナー(ドア付近はふさがないなど)や適切な服装、日本人らしいふるまいなど、学ぶべきことは多くありました。見た目が日本人なので、わからないことがあっても理解されづらいという難しさもあります。日本で暮らしながら、いわゆる「日系外国人」と言う概念を広げていきたいと思っています。

日本の人たちにはもっと海外に行ってほしいと感じます。日本の人たちは、外国から来た人たちへのおもてなしの心を誇りに思っていて、私もそれは素晴らしいと思いますが、もっと自分たちでも外へ出て、他の国々の様子を知ってほしいと思います。海外は危ないと思っている日本の方々も多いかもしれませんが、行ってみたり、生活をしてみたりすれば、安全な過ごし方がわかると思います。

(インタビュー:2016年6月)
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