ソマリア 水衛生支援

ソマリア 水衛生支援

IOMはソマリアで2006年以降、人々の命を守り生活を改善するために、政府、国連機関、NGO、民間セクター、宗教指導者、地域住民などと連携して日々活動しています。

その中でも、水衛生分野で日本企業と協力した官民連携の支援が行われています。

このページではソマリアで実施される数多くの支援活動の中から、水衛生支援に焦点を当てて紹介します。

ソマリアの大干ばつ

2011年、過去60年で最悪の干ばつにより、飢餓が発生し、全人口の4割強の約370万人が危機的状況にありました。食糧や水を求め、一時は120万人が国内避難民となりました。国内避難民の多くは、安全でない水を飲まざるを得ず、下痢やコレラなどの水を媒介とする感染症にかかるリスクにさらされています。

ソマリア 汚い川の水だけが人々の生活を支えています。 © IOM 2014

 

ソマリア 避難民には通常、安全な水、食糧、医療へのアクセスがありません。 © IOM 2014

ソマリアの水事情

UNICEFとWHOのJoint Monitoring Program(JMP 2013) によると、ソマリアの安全な水へのアクセスができる人々の割合は非常に低い状況です。

人口の大多数は農村部で生活していることから、国内全体では2011年において未だ3割の人々しか安全な水にアクセスできないという危機的状況でした。

ソマリア南部地域には二つの表流水が豊富に年中流れていますが、家畜や人間の日々の活動により大変汚染されており濁度も高いため、水を浄化するのは困難です。またソマリアの地下水の塩分濃度・硬度はWHOの水質ガイドラインの値を大きく超えるため、飲料水に適していません。

IOMの水衛生支援

IOMはソマリア全土で、国内避難民や受け入れコミュニティに対する、安全な水の供給を支援しています。2012年から日本政府による経済支援と日本ポリグル社の画期的な技術協力による官民連携事業として安全な水の供給を始めました。

納豆のネバネバ成分を活用して開発した、水質浄化浄剤PGα21Caを活かし、ソマリアの人々に安全な水を提供し、下痢やコレラなどの予防に努めています。

一般的に表流水を利用するためには大きく二つの過程が必要です。一つ目は濁度の高い水の汚れを落とし、「きれいな水」にすること、二つ目は「安全な水」にすることです。日本ポリグル社の水質浄化浄剤PGα21Caは一つ目の過程で活躍します。

IOMは浄水装置と組み合わせた3タンク給水方式をとっています。(写真下 二枚目)
第一タンクにてPGα21Caを利用して「きれいな水」に処理し、第二タンクにて塩素を用いて殺菌し「安全な水」を生成。そして第三のタンクに「安全な水」をためて、安全な飲料水を提供しています。

2012年1月から試験的に導入されたポリグル技術を用いた浄水・給水施設は、現在までに毎日約5万人以上の人々に安全な水を供給することに成功しています。具体的な変化として、事業地で下痢が34%軽減していると報告されています。

ソマリア 避難民キャンプで手洗いのレッスンを受けた後の女の子たち © IOM 2014

 

ソマリア IOMが設置した3タンク方式の給水施設 © IOM 2014

今後の展望

今後のプロジェクトの展望としては、支援のあり方を緊急援助から、より堅固で持続的なサービスへ移行していく必要があります。事業の持続性に欠かせない要素はソマリア政府の更なる事業遂行能力強化とソマリア民間セクターの参画です。

IOM給水事業戦略では2016年までに現地民間セクターと関係強化しつつ、水供給人口を約100万人規模まで拡大し、将来的には水道料金を徴収して、外部援助をなくすことを目標としています。

ソマリアにおける水衛生支援での日本人職員の体験談はこちら 

ソマリア お水事情 2014年5月22日