南スーダン 日本政府の支援により導入された出入国管理データシステム
IOMは様々な技術協力や能力向上活動を通じ、南スーダン移民局のキャパシティ・ビルディングを支援している。昨年10月、南スーダン政府はジュバ国際空港の新国際線ターミナルの開所式を行った。
新ターミナルの開所式に先駆け、日本政府の支援による出入国・国境管理事業を通じ、IOMは移民局との協力の下、新ターミナルの出入国審査カウンターに15台の移住情報解析システム(Migration Information and Data Analysis System - MIDAS)を設置した。このシステムには、コンピューター、パスポート読取・認証システム、指紋読取・管理システム、カメラなどが含まれている。
MIDASは、移民局職員による出入国者の情報収集、及び分析に使用されるだけでなく、偽装パスポートをはじめとする偽装書類や、人身取引、密出入国などの犯罪の発見にも役立つ。同システムの供与に先立ち、IOMは2017年7月以降、空港で勤務する移民局職員に対し、MIDASの使用及び維持管理方法に関する研修を継続的に実施している。
岡田駐南スーダン日本大使は、「(南スーダンのような)新しい国を支援できることを、日本国民は誇りに思っています。南スーダン移民局の能力向上は、同国の移民管理のさらなる向上や、南スーダンに住む移民及び同国を経由して他の国を目指す移民に対する保護の向上につながります。MIDASの供与と新国際線ターミナルの開所は、平和記念式典が行われる同国にとってこの上ないほど重要な時期に実現しました。」と述べた。
IOMは南スーダンの独立直後から、様々な活動を通じて、南スーダン政府の出入国・国境管理能力の向上を支援してきた。昨年は、空港勤務の移民局職員への研修に加えて、IOMは南スーダンの移民局事務所や国境のインフラ支援、移民政策の策定、政府機関間協力の強化、周辺国との国境管理連携の強化、地域統合の促進などを支援した。